808個の漢字に精通していれば、中国語や日本語、韓国語ができなくても、中日韓3カ国で簡単なコミュニケーションができるようになる。中国人民大学によると、同大学の元学長である紀宝成氏が中心となってまとめた『中日韓共同常用八百漢字表』が3年の制作期間を経て完成した。この漢字表を使えば、3カ国の若者は“筆談”ができるようになり、旅行がしやすくなり、交流が促進されるほか、3カ国の若者がお互いの言語を学ぶのも容易になる。「北京日報」が伝えた。
▽千年を超える日本と韓国の漢字史
漢字は三千年余りの歴史を持つが、日本と韓国の漢字使用の歴史もすでに千年を超えており、漢字は、中日韓3カ国の文化交流にとっての天然の紐帯と言える。
1897年、孫中山(孫文)は日本に亡命し、日本人の宮崎滔天と知り合った。二人は言葉こそ通じなかったが、お互いによく知った漢字を使って、まったく障害なしに“筆談”をすることができた。“筆談”を通じて、宮崎滔天は中国の革命を理解し、孫中山は宮崎と中国革命の戦略を練った。二人の“筆談”の手紙は2011年に中国で出版された『宮崎滔天家蔵』にも収録されている。
また1980年代以降、多くの日本人が中国に旅行に来ているが、中国語が話せなくても、紙に漢字を書くことで中国の商店で買い物をすることができている。また日本や韓国を旅行する中国人も、現地の看板に書かれた簡単な漢字によって情報を得ることができている。これらはいずれも、三国の人々が漢字を熟知していることの結果と言える。
2010年、人民大学の学長を務めていた紀宝成氏は、東北アジア3カ国フォーラムに参加した際、『中日韓共用常見漢字表』の作成を提案した。紀氏によれば、漢字は3カ国共同の財産である。漢字表の狙いは、3カ国が共に用いる漢字を整理し、3カ国の交流とコミュニケーションを促進することにある。
「人民ネット日本語版」より 11月5日
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