▽中国語学習と旅行が便利に
前出の趙室長によると、漢字は表意文字であり、言語が通じなくても、漢字を使って簡単な交流を実現できるケースは多い。漢字表に収録された漢字を把握すれば、少なく見積もっても、漢字で書かれた看板や簡単な漢字の説明の80%は理解できるようになるという。漢字表を持っていれば、観光客の3カ国間の往来もさらに便利となる。
日本語の勉強を始めたばかりの中国人の林さんは、漢字表に期待する一人だ。日本語を独学しているという彼女は、文法や発音もまだしっかりとは把握できておらず、リスニングも難しい。共用漢字表があれば、日本に旅行や勉強に行っても、漢字で日本人と交流することができ、言葉ができないことを不安に思う必要もない。
韓国のハングルは500年余りの歴史を持つにすぎず、韓国の史料はそれまでほとんど漢字で書かれていた。韓国人の専門家の中には、韓国の若者が漢字を学ばなくなれば、古代の史料を読むことのできる人もどんどん少なくなると心配する人もいる。これらの専門家も、この漢字表の普及を通じて、漢字を理解し学習する人が増え、韓国の若者が中国や日本に行くのが便利となることを期待している。韓国のグローバル企業の一部には、この漢字表の理解度を昇級審査の基準に入れることを検討する動きもある。
漢字表の総表はすでに制作を完了し、分類表は補足と校正が進められており、来年には正式発表となる見込みだ。
▽3カ国の漢字の同形異義字
「太」:現代中国語では「すぎる、とても、高い、大きい」などを表すのに対し、日本語では「太い」を表し、韓国語では「大きい、最初」などを表す。
「祭」:現代中国語では主に「死者に追悼や敬意を表す儀式」や「鬼神や祖先の祭り」を表すのに対し、日本語や韓国語ではこの意味に加えて、「桜花祭」や「映画祭」に見られるようなフェスティバルを表す漢字としても使われる(中国語は「節」)。
「走」:現代中国語では主に「進む、移動」を表すのに対し、日本語では「走る」の意味があり、韓国語でも「走る、逃げる」を表す。
「人民ネット日本語版」より 11月5日
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