「誰が後押ししているのか」
(1)業界が大きく期待、馮監督が頼り
業界関係者によると、「私人訂制」が初日の上映記録を更新できたのは、主に主観的、客観的の両方の原因があるという。客観的な原因の一つは映画館数の増加だ。昨年12月の中国大陸部のスクリーン総数は1万3118連で、現在はすでに1万7000連を超え、映画市場全体の容量が拡大している。第二に、今年のお正月映画には目下、昨年のような興行収入の急増は見られないため、業界人が「私人訂制」により期待を寄せていること。昨年同時期の「泰囧」同様、「私人訂制」も今年のお正月映画の唯一のコメディーであることから、長年の市場の経験により、1年を忙しく過ごした庶民がお正月にコメディーで笑いたいなら、映画館に行くのが通例だという。
(2)数年ぶり、観客の期待
主観的な原因では、馮監督のコメディーに対する庶民の長年蓄積された期待がある。1997年の「甲方乙方」から始まり、毎年年末になると観客は「春晩」(中央テレビの春節聯歓晩会)と同様、馮監督のお正月のコメディーを見たいと期待し、馮監督のコメディーは中国大陸部のお正月映画を成熟させている重要な代表作だ。しかしここ数年、馮監督は自分が撮影したいと考える映画を撮影しており、また創作の方向性を「個人のノスタルジー」の方向に転換している。馮監督のユーモアはあまりにも印象深いため、お正月映画に馮流の決め台詞がなければ「馮監督の映画ではないみたいだ」と感じさせられる。「私人訂制」では馮監督は王朔(ワン・シュオ)、葛優(グオ・ヨウ)を再び起用しているため、観客の期待も高い。
(3)貸切鑑賞の協力、映画を福利厚生にも
また華誼兄弟の王中軍董事長(会長)は以前、「私人訂制」のプロダクト・プレイスメントは8000万元以上に達し、馮監督個人の作品のプロダクト・プレイスメント金額として最高額を記録している。今回の制作側と広告企業との協力では、一部企業による貸切の映画鑑賞という協力も行われた。もっともこうした貸切の協力だけでなく、他の多くの企業も同作品を従業員への年末の福利厚生の一種としている。同作品の上映予約回数の拡大もその上映率に影響を与えている。
「人民網日本語版」より 2013年12月20日
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