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2013年、中国の主流は抗日ドラマからホームドラマに

 

今年上半期、中国では数々の抗日映画・ドラマがその荒唐無稽さで話題になった。代表作に「利箭行動」があり、主人公が崖から飛び降り、バタフライナイフを使って、機関銃で掃殺する旧日本軍の兵士を秒殺する姿が、ネットユーザーらの間で「まるで、中国拳法の絶技『凌波微歩(りょうはびほ)』と古龍の武侠小説『小李飛刀』を合わせたみたい」と話題になった。また、「向着勝利前進」では、主演の人気俳優・呉奇隆(ニッキー・ウー)がゲリラ部隊に参加し、旧日本軍の兵士を次々に殺す様子が描かれ、史実を全く無視した内容が話題となった2012年の抗日ドラマ「向着砲火前進(主演は同じく呉奇隆)」よりも、さらにグレードアップしていると話題になった。京華時報が報じた。

しかし、こうした荒唐無稽な抗日ドラマには、批判の声も多く上がっていた。そのため、中国国家新聞出版広播電影電視(ラジオ・映画・テレビ)総局は5月、既にゴールデンタイムでの放送が決まっている抗日ドラマを再度慎重に審査し、過度に娯楽化された抗日ドラマは修正を行い、修正できないなら放送を停止するようにとの通知を出し、抗日ドラマの氾濫に待ったをかけた。

変わってホームドラマが人気に

同総局が同対策に乗り出したことを背景に、下半期はホームドラマが話題になった。うち、人気を集めたドラマには若者たちが子供を養うことをテーマにした「小児難養」や人気俳優・文章(ウェン・チャン)が監督、主演を務めた「小爸爸」などがある。また、恋愛ドラマ系の「璀璨人生」や「天真遇上現実」「因為愛情有多美」なども、2013年度の高視聴率トップ10に入った。11月から始まった、人気女優・高圓圓(カオ・ユエンユエン)と黄海波(ホァン・ハイボー)主演の「咱們結婚吧」もロマンチックで、涙を誘う人気ドラマだ。2人が演じる30過ぎ独身男女の恋愛は、中国で結婚適齢期を過ぎても結婚できず「売れ残り」と呼ばれている男女に、本当の「愛の姿」を伝え、ハッピーエンドの結末が見る人の喜びを倍増させた。同ドラマも高視聴率を記録し、上半期に大ヒットした「百万新娘之愛無悔」に次ぐ2位(視聴率調査会社CSM調べ)となっている。

来年の注目は人気女優が出演する歴史ドラマか

今年の歴史映画・ドラマの「趙氏孤児案」や「楚漢伝奇」、「精忠岳飛」などは、視聴率が低迷した一方、「後宮の涙(原題:陸貞伝奇)」や「天天有喜」などは人気女優・趙麗穎(チャオ・リーイン)などが伝統的な衣装に身を包む姿が話題となるなど、高視聴率トップ10に入っている。

映画評論家の李星文氏は、「2013年、歴史ドラマ数作品の人気が低迷したことで、同類のドラマを制作することを避ける傾向になってしまうだろう」と予測。それでも、「来年も人気女優が伝統的な衣装で身を飾る歴史ドラマ『神雕侠侶』、『鹿鼎記』、『雲中歌』などが放送される。これらが来年の人気テレビドラマになるだろう」との見方を示している。

 

「人民網日本語版」より 2013年12月25日

 

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