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ベルリン国際映画祭で中国映画「白日焰火」が金熊賞

 

第64回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門の授賞式が現地時間15日、ドイツのベルリンで開催され、中国の刁亦男(ディアオ・イーナン)監督が旗を振った恋愛サスペンス映画「白日焰火(Black Coal Thin Ice)」が最高賞にあたる金熊賞を、主演の廖凡(リャオ・ファン)が銀熊賞(最優秀男優賞)を見事受賞した。さらに、婁燁(ロウ・イエ)監督が旗を振り、曾剣(ツォン・ジエン)が撮影した「推拿(ブラインド・マッサージ)」も銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞した。新華網が報じた。

金熊賞受賞が発表されると、黒いスーツを身にまとった刁監督は大興奮。盛大な拍手の中、制作チームと共にステージに上がると、「この栄誉は、私だけでなく、最も優秀な制作チーム、映画自身のもの」と喜びを語った。

廖凡も、「14日は中国で春節(旧正月、今年は1月31日)の締めくくりである元宵節(げんしょうせつ)で、春が到来した。同時に、西洋のバレンタインデーでもあり、僕の誕生日でもあった。今日は、最高の誕生日プレゼントをもらった。ありがとうございます」と喜びを語った。

刁監督の3作品目となった「白日焰火」では、女優の桂綸鎂(グイ・ルンメイ)演じる呉志貞と恋愛関係にあった男性3人が次々に殺人事件に巻き込まれ、廖凡演じる警察の張自力も彼女を愛するようになり、徐々に事件の真相を知ることになる。このさまざまなミステリーを「愛」で推理するストーリーが審査員の好評を博し、虚無的・悲観的・退廃的な指向性を持つ犯罪映画「フィルム・ノワール」と評価された。刁監督も、同作品のテーマについて、「人が人生の真相に直面した時、進んで道徳的な選択をする勇気」とし、「今の中国人が精神的な面で必要なもの」と語っていた。

一方、「茅盾文学賞」を受賞した著名な作家・卒飛宇の同名小説を映画化した「推拿」では、南京のマッサージ店の盲人マッサージ師数人をめぐるストーリーが展開される。授賞式に曾剣は参加しておらず、婁監督が賞を受け取った。

出品されていたもう1つの中国映画「無人区」( No Man's Land)」(寧浩監督)は惜しくも受賞を逃したものの、上映期間中は好評を博していた。

同映画祭のディーター・コスリック・ディレクターは授賞式の前夜に応じた取材で、出品された中国の映画3作品について、「中国の伝統的な方法でストーリーを展開している。監督独自のスタイルと独特の制作方法を、私は評価している。また、現在の中国映画の新しい面も見え、映画祭ではメディアや観衆の好評を博した」と称賛していた。

6日から16日まで開催された同映画祭では、72の国や地域の映画合わせて409作品が各部門で放映。うち、23作品がコンペティション部門にノミネートされ、最終的に20作品が「金熊賞」を争った。20作品のうち3作品が中国映画だった。

1951年から始まった同映画祭は、ほかの映画祭と比べると社会派の作品が集まる傾向があるほか、近年は新人監督の発掘に力を注いでおり、カンヌ国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭と並び世界三大映画祭のひとつに数えられている。これまでに、中国の巨匠・張 芸謀(チャン・イーモウ)監督の「紅いコーリャン(原題:紅高粱)」(1988年)、謝飛(シェ・フェイ)監督の「香魂女-湖に生きる」(1993年)、王全安(ワン・チュアンアン)監督の「トゥヤーの結婚(原題:図雅的婚事)」(2007年)が「金熊賞」を受賞するなど、中国映画の活躍が目立つ映画祭ともなっている。 (編集KN)

 

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