アジアを代表する映画の祭典の1つ、第38回香港国際映画祭が24日に開幕した。映画ファンが首を長くして待っていた年に1度の祭典は、4月7日まで15日間にわたり開催される。海口晩報が報じた。
今年のテーマは「世界が香港に集う」で、これまでで最も多い、56カ国・地域から集まった約300作品が12の会場で上映される。うち88作品が世界、もしくはアジアで初めての上映となる。また、「新作」以外に、巨匠・小津安二郎監督の「彼岸花」、「秋日和」、「お早よう」、「秋刀魚の味」、アルフレッド・ヒッチコック監督の「ダイヤルMを廻せ!」などがデジタルリマスター版として公開される。
オープニング作品は彭監督と陳監督の2作品
今年のオープニング作品は、世界初上映となる香港の彭浩翔(パン・ホーチョン)監督の「香港仔(Aberdeen)」と、アジア初上映となる陳果(フルーツ・チャン)監督の「那夜凌晨、我座上了旺角開往大埔的紅VAN(The Midnight After)」。
香港の人の思いが詰まった「香港仔」は、彭監督が長年かけて構想を練ってきた自信作だ。同作品では温かい家庭の物語が描かれており、呉孟達(ン・マンタ)、呉家麗(キャリー・ン)、曾志偉(エリック・ツァン)、楊千嬅(ミリアム・ヨン)、古天樂(ルイス・クー)、梁咏琪(ジジ・リョン)ら、豪華キャストとなっている。同作品は5月8日、中国大陸部と香港で同時公開となる。
4月7日のクロージング作品には、アジア初上映となる林超賢(ダンテ・ラム)監督の「魔警」が選ばれた。アクション映画の名手と言われる林監督の同最新作には、呉彦祖(ダニエル・ウー)や同監督と4度目のタッグとなった張家輝(ニック・チョン)などが出演し、迫真の演技で警察と凶悪犯との心理戦を描いている。
姜文監督の4作品がそろい踏み
同映画祭では、姜文(チアン・ウェン)監督の「回顧展」も開催され、同監督の作品4作品が上映される。姜監督の回顧展は今後世界各地でも開催される計画だ。
名作として知られる姜監督の初監督作品「太陽の少年(原題:陽光燦爛的日子)」(1995年)では、主演を演じた俳優・夏雨(シア・ユー)が、第51回ヴェネツィア国際映画祭で主演男優賞を史上最年少で受賞した。同作品は今でも青春をテーマにした映画の模範として、世界映画史に刻まれている。その後も、姜監督はさまざまなジャンルの作品を手掛け、2007年には美しい神秘的な物語で初まり、4つのラブストーリーが見事に完結する「陽はまた昇る(原題:太陽照常昇起)」が話題となった。さらに、2010年の「さらば復讐の狼たちよ(原題:譲子弾飛)」(2010年)は公開当時、中国映画歴代興行収入No.1となった。この20年、姜監督が旗を振った作品は4作品しかないが、今でも多くの人の記憶に残っている。
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