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中国の貿易、安定成長に向けた措置が発表

 

中国国務院弁公庁はこのほど、「海外貿易の安定成長の支持に関する若干の意見」を発表し、市場の活力を引き出し、貿易会社の自信を深め、輸出入の安定増を促進することを強調した。中国商務部(商務省)対外貿易司長の張驥氏は中国国務院新聞弁公室で開かれた記者会見において、同文書の実施方法および貿易情勢について説明した。人民日報が伝えた。

◆企業の負担を削減

張氏は、同文書の主な内容を次のようにまとめた。

輸出と輸入の重視。輸出面で利便化を推し進め、伝統的な有力製品の輸出を安定させると共に、ブランド力・販売網・高技術力・高付加価値・高効果を持つ製品の輸出を支持する。輸入に関しては、企業による先進的な技術設備および重要部品の輸入拡大を支持し、人々の生活に密接に関わる、必要とされる一般消費財の輸入を合理的に拡大する。

海外からの導入と海外進出を結びつけた貿易。中国の対外貿易には、一般貿易の他に加工貿易がある。世界からの産業移転を受け入れれば、その中の一部は自動的に輸出能力となる。改革開放を通じ、中国企業の実力が強化を続けた。現在は海外進出も積極的な効果を手にしており、輸出を促した。同文書には、海外進出による貿易けん引についての記述があり、これまでとは違った内容となっている。

改革・革新精神の強化。政府職能を調整し、関連部門に対して行政手続きの減少、行政のスリム化、権限の移譲を求める。特に輸出入の費用徴収を整理・規範化し、貿易の利便化を推進し、一部の費用については極力取り消し、極力減額することで、企業の負担を減らす。

管理強化と貿易促進の融合。企業行為を規範化し、悪性の競争を防止し、国際化・法制化の経営環境の構築に尽くす。貿易会社の信用記録のデータバンクを構築する。信用にもとる行為を処罰し、詐欺を取り締まり、貿易会社の信頼システムの構築を促す。

◆依然として厳しい貿易情勢

今年に入ってから、中国の貿易情勢が深刻化・複雑化しており、低迷の圧力が拡大している。税関の統計データによると、1-4月の輸出入額と輸出額が前年同期比で減少した。これは2009年同期を除いた場合、十数年ぶりのことだ。

張氏はこのような状況がもたらされた理由について、「香港の昨年同期の貿易額が激増し、比較基数が高かった。また外需の疲弊、伝統的な競争力の低下といった深いレベルの問題も反映されている」と指摘した。

張氏はまた、「外需の根本的な好転が待たれる中、中国の貿易はすでに世界からの産業移転の鈍化、周辺諸国への産業・受注移転の加速、生産コストの上昇という情勢を迎えている」と分析、「中長期的に見て、貿易発展の環境は深刻化し、今年は特に複雑で厳しい情勢となる。まず世界市場の需要が疲弊しており、先進国経済の回復が遅れ、新興経済体の経済が低迷し、世界経済成長の不確定性が高まっている。次に、国際競争が激化している。先進国の中国への産業移転が緩慢になっており、欧米は産業の回帰を推進している。中国の製造業の外資利用額の増加率が低下傾向を示している。同時に、中国の海外への産業・受注移転も加速されている。それから、総合的なコストが上昇し、伝統的な競争力が低下している。他にも資金調達が困難で、調達コストも上昇しており、特に中小企業が苦しい経営を強いられている。最後に、中国の貿易摩擦が頻発している。ゆえに今後長い期間に渡り、中国の貿易は低中速で合理的に運行するだろう」と説明した。

 

「人民網日本語版」2014年5月21日

 

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