現在位置: ニュース>文化
許淵沖氏がFIT2014年度「北極光」傑出文学翻訳賞を受賞

 

唐聞生氏から許淵沖氏への賞状授与

国際翻訳家連盟の代わりに、中国外文局王剛毅副局長が許淵沖氏への選評を発表

8月22日、中国外文局においてFIT(国際翻訳家連盟)2014年度「北極光」傑出文学翻訳賞の表彰式が行われ、中国の文学翻訳家許淵沖氏が受賞者となった。「北極光」賞が設立された1999年以来、許氏はアジア人翻訳家として初の受賞者となった。中国翻訳協会会長李肇星氏、中国外文局局長兼中国翻訳研究院院長周明偉氏、中国翻訳協会第一常務副会長郭暁勇氏、中国翻訳協会常務副会長唐聞生氏、北京大学副学長高松氏並びに許氏の学生時代からの親友で中国物理科学家、ノーベル物理学賞受賞者楊振寧氏と中国宇宙空間技術専門家の王希季氏などが表彰式に出席した。

挨拶する李肇星氏

今回の受賞に対し、許氏は「私はこの賞をいただいた初めての中国人として、心から光栄に思っています。これは私個人の翻訳の仕事が認められただけでなく、中国文学が世界の方々にますます注目される証でもあります。私にとって、中国語、英語そしてフランス語の翻訳は長年続けてきた楽しみの一つであり、93歳になった今でも、翻訳し続けています。私は翻訳そのものが好きなだけなのです」と述べた。

挨拶する周明偉氏

李肇星会長は、許先生の受賞は中国翻訳業界の誇りのみならず、中国文化界の誇りでもある。中国の若手翻訳者たちは許先生のような大先輩を目標にし、困難を恐れず、勤勉になるべきだなどと、中国の翻訳事業へのさらなる貢献に期待を表した。

中国翻訳協会を代表し、挨拶する郭暁勇氏

また、周明偉局長は、許先生が中国の古代文学を英語とフランス語へ訳すことにより、中国の文明と文化の美しさへの認識と理解を世界中から得ることができ、さらに、中国と海外との文化交流及び中国文化の海外への広がりにも莫大な寄与をしたと指摘した。今回の許先生の受賞は名実共に相応しいことだと言えよう。

中国外文局で行われた表彰式

8月2日、第20回国際翻訳大会会員代表会がドイツ・ベルリンで行われた。そこで、93歳の許氏がこの翻訳分野におけるトップレベルの賞を受賞したが、高齢のため、当地で行われた授賞式には出席できなかった。審査委員会の選評によると、「我々のいる国際的な環境の中では、効率の高いコミュニケーションが必要とされています。許淵沖教授は中国語、英語及びフランス語を使用している人々の間に、交流の橋を掛けてくれています。彼によって英語とフランス語に翻訳された中国文学作品の量は膨大であり、また数多くの英語、フランス語の優れた文献が中国語に訳されています」。さらに、許氏が執筆した英語、フランス語への訳書と中国語への訳書が「これから影響を与える潜在読者の数も審査員に深い印象を残しました」と審査委員会が指摘している。

 

人民中国インターネット版 2014年8月24日

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850