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ノーベル賞作家・莫言氏「やっぱり故郷がいい」

 

 

11日、紅高粱文化際に登場した莫言氏
「第5回中国(高密)紅高粱文化際」が11日、山東省高密市で開幕した。同市出身で、2012年に中国初のノーベル文学賞を受賞した作家・莫言(モーイエン)氏は同日、取材に対して、故郷に対する思いや文化に対する見方、ノーベル文学賞を受賞してから感じることなどを語った。

やっぱり故郷がいい

自身が生まれ育った場所がストーリーとなっている作品を多く手掛ける莫言氏は、「世界のどこに行っても、故郷がいいと感じる。故郷は、郷土の記憶で、昔からずっと文学の命題となってきた。唐代(618‐907年)の詩や宋代(960-1279年)の詞にも、故郷をなつかしみ、恋しがる気持ちが込められた詞がある」と語った。莫言氏の作品には、誰もが経験している生活の様子や子供の頃の思い出、育った街、同級生、両親、同郷の人、自分の好きな食べ物、泳いだ川、散歩した川辺などが頻繁に登場する。今年6月に行ったある講演で、莫言氏は、「作家にとって、故郷は切っても切れない存在。作家が文学という方法を通して、故郷を描くのは、故郷に対する超越した感情」と語った。

スウェーデン人のファンにサインする莫言氏。(資料画像)

中国文化の代表に

ノーベル文学賞を受賞してから、中国文化における代表的な存在となった莫言氏は、故郷や中国各地の都市だけでなく、世界各地に足を運び、さまざまな文化交流イベントに参加している。莫言氏は、「中国文化には非常に貴重なものが存在し、民族芸術にも、世界に置いて貴重な宝のようなものが存在している。それらは、中国だけでなく、全人類のもの」と、中国の文化が世界に向けて羽ばたくことの貴重な価値を強調している。

また、「灯籠(とうろう)、獅子舞、龍灯(りゅうとう)など視覚的にインパクトある文化的シンボル以外に、文化交流において、深く、全面的、かつ立体的なものが必要。文化的シンボルやアートそのものより、そこに含まれている思想のほうが、人に大きな影響を与える。中国人は、ドイツの哲学者・ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルやイマヌエル・カントなどを知っている。中国にも、孔子や老子、庄子のほか、中国仏教という偉大な精神があり、それらは少しずつ欧米諸国でも理解され受け入れられ、世界における思想の財産となっている」と語った。

文化は違っても思いは通じる

スウェーデン・アカデミーは9日、2014年のノーベル文学賞を仏の作家パトリック・モディアノ氏に授与すると発表した。莫言氏は1984年、モディアノ氏の小説を読んだといい、「深みある作家。さびしがりやで控えめな作家でもある。彼の作品は目立たない人の生活をテーマにしたものが多い。3-4万字と、短めの作品が多いが、とても生き生きしている」と高く評価した。

そして、「民族と民族の交流や国と国の交流は、はっきり言えば心の交流。心から良心的に接すれば、相手もそれを感じる。決まり切ったあいさつをするだけで、思いを込めて何かをすることがなければ、うまくいかない」と、文化は違っても、思いは通じることを強調した。(編集KN)

 

「人民網日本語版」より 2014年10月13日

 

 

 

 

 

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