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人民銀が利下げ 市場の今後5つの予想

 

中国人民銀行(中央銀行)が28カ月ぶりに思いがけなく金利引き下げに踏み切ると、楽しかった週末に緊張ムードが走った。引き下げの影響を受ける預金市場、貸出市場、株式市場、大口商品市場などはこれからどうなるのだろうか。「北京商報」が伝えた。

▽予想1:預金にきな臭さ

預金金利の引き下げに最も注目が集まっているが、人民銀はこのたび預金金利を調整しただけでなく、非対称の金利引き下げ方式も採用し、金融機関の預金金利の変動幅の上限をこれまでの基準金利の1.1倍から1.2倍に引き上げた。

銀行の金利が流出しているという争えない事実を前にして、中小銀行の多くは非常に素早く反応し、預金金利を上限いっぱいまで引き上げた。複数の銀行のサイトをみると、包商銀行、南京銀行、恒豊銀行をはじめとする多くの銀行が各期間の預金金利を20%引き上げ、その他の大手株式制銀行と国有4大銀行も10%以上引き上げた。計算すると、これまで1年満期定期預金の金利は3%で、上限の1.1倍にすると3.3%になる。利下げ後は0.25ポイント引き下げられて2.75%になったが、上限いっぱいの1.2倍にすると3.3%になり、つまり引き下げの前と後で変わらないということだ。

▽予想2:貸出金利の優遇幅が縮小

期間5年以上の貸出の金利は6.55%から6.15%に引き下げられ、住宅ローン利用者にとっては金利が6.1%優遇されたことになる。100万元を30年ローンで借りた場合、元利均等返済方式で計算すると、利下げ後の月返済額は261元(1元は約19.2円)減り、総額では9万4074.11元の「節約」になる。

多くの銀行が行動を開始して預金金利を上限いっぱいまで引き上げており、これは預金と貸出の金利差が一層縮小して、銀行の経営がますます困難になることを意味する。銀行関係者は、「これからは貸出金利の優遇のハードルが高まる可能性がある」と話す。

▽予測3:債権市場は強気に

大成基金管理有限公司の研究報告書によると、債権市場にとってこのたびの利下げは非対称な引き下げであり、貸出金利の引き下げ幅は預金金利の引き下げ幅を上回っており、人民銀の狙いは実体経済の資金調達コストを引き下げ、信用債券に好材料を与えることにあるという。また預金金利の0.25ポイント引き下げにより、リスクフリー金利を一層引き下げ、銀行の負債コストを引き下げることになるという。こうした誘導によって、銀行の資産運用商品の利回りを含む広範囲の負債コストの引き下げを期待することが可能で、これは債券の強気市場の後半戦を後押しする重要な要因になるとみられる。

中国国際金融有限公司(中金公司)の固定収益研究チームは、人民銀は利下げ後に続けて預金準備率の引き下げをうち出し、流動性を一層管理する可能性があり、このため債券の収益率は「好材料が出尽くして」目立って上昇することはあり得ないとみられる。

▽予想4:大口商品に大きな反動の予想

今年の大口商品を語る時に最も印象的なことは、下げ止まらないことだと思われる。そして人民銀の利下げ政策は大口商品市場にとって恵みの雨になる可能性があることだ。

21日に利下げが発表されると、金の現物価格は10ドル(1ドルは約117.9円)値上がりし、1オンス1200.6ドルの最高値を付けた。銀の現物価格は最大で1オンス16.39ドルに上昇した。市場アナリストは、「今回の人民銀の利下げの狙いは緩和にある。緩和は人民元の値下げにつながり、大口商品の輸出にはプラスだ。よって商品貨幣の反応が最も強いものだった」と話す。

とはいえ「大口商品への影響をあまり楽観視してはいけない」というアナリストもいる。混沌天成先物有限公司の研究所の葉燕武所長は、「短期的には大口商品価格は利下げの好影響を受けるが、中期的にみれば、大口商品も今回の利下げによってこれまでの需給のアンバランス局面を転換させることはできないとみられる。今後の流れは産業の基本的な側面をみなければならない」とみている。

▽予想5:人民元値上がりはしばらくお休み

人民銀の利下げは外国為替市場にも影響を与えることになる。アナリストは、「利下げ後にはこれまで高金利を追いかけて入り込んできた国際市場のホットマネーが出ていくことになる、意外なことが起きなければ、今日の取り引きが始まると、銀行間市場の人民元相場は値下がりし、人民元の値上がり傾向はしばらくお休みになる」と指摘する。

だが中金公司の研究チームは、「預金金利の上限が1.2倍になるということは、変わらないのと同じことで、銀行の金利差は縮小し、貸出への意欲が減退することになる。政策の効果はしばらく様子をみる必要がある。金利政策と相場政策との間の相互代替性を考えると、人民銀は人民元相場の安定を維持し、人民元の値下がりを回避する方へ傾く可能性がある」と指摘する。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2014年11月25日

 

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