4項目の合意文書を転機に
4項目の合意文書は11月7日に公表され、10日に習主席は安倍首相と会談した。京セラ北京事務所の渡辺信博所長は、「安倍首相と習主席の握手は両国に良い結果をもたらすと思う」と筆者に語った。
2010年以降の船衝突、島の係争、靖国参拝などの問題はこれで一挙に消えることはないが、転機がやってきたことは、北京や東京で感じるはずである。中日関係にはこのような転機がずっと待ち望まれていた。
APEC期間中に、中米の指導者はじっくりと今後の両国関係を議論し、「衝突せず、対抗しない」などの原則を打ち出した。
「集団的自衛権の行使容認を閣議で決めた日本は、周辺国と戦争しないという原則を中国側に言うか」とある日本の地位の高い外交官に尋ねたことがある。しかし「イエス」という答えはつい引き出せなかった。
北京APECでは、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立などについて金融面では中国は幾つかのアイデアを打ち出した。これに対して日本から賛同の声はほとんど聞こえなかった。日本企業を取材して、欧州、アジアなど世界各地で社会インフラ整備のビジネスをしているという話はたくさん聞いたが、AIIBとなると、話は急にトーンダウンしてしまった。
中米のように対抗しないという原則を確立しないまま、中日関係の好転、戦略的互恵関係の樹立は、まだ道が遠いという予感もする。戦略的互恵関係も重要だろうが、相互信頼は、もっと忘れてはいけないと思う。
人民中国インターネット版 2014年12月12日
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