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中日の作家対談 「感情と記憶を伴う食べ物」

 

中国語の作品を手掛ける北京在住の日本人作家・吉井忍氏は、昨年9月に「四季弁当」を出版し、中国人読者から人気を博した。中国人作家・張悦然氏と吉井忍氏は、このほど北京で開催された読書会に出席し、食べ物と感情や記憶との関係性について対談を行った。中国新聞網が伝えた。

■美味しいものにまつわる素朴な思い出を伝える

吉井氏は、「『四季弁当』には、40種類の四季折々の日本料理と40種類の美食にまつわる人生の悟りがまとめられている。本の中では、著者の美食にまつわる思い出を含め、家庭で手軽に作れて食べやすい弁当のおかずの作り方や手順のほか、弁当作りの実践的なコツなどが紹介されている。吉井氏は、「地元の季節の食材を使用する」という原則を守り、日常的な弁当を手ごろな価格に抑え、健康的で美しいものに仕上げている。本の中には、手順写真が豊富に掲載され、弁当の作り方がわかりやすく紹介されているため、初心者でも手軽に挑戦できそうだ

「美味しいものを作ること以外にも、読者にほのかな自然の中に、日常の美を感じてもらいたくて、美食に関する素朴で暖かい思い出を伝えようとした」と吉井氏は語る。「日本文学の中にも、弁当に関する描写はしばしば登場する。そこには、往々にして時代の変遷や家族の愛情が映し出されている。小さい頃は、母親が作った弁当を持って学校に行き、その後、母親から弁当の作り方を徐々に学んでいった。遠足やそれぞれの行事でも、母親は趣向を凝らした、いつもとは違う弁当を作ってくれたことが子供心にも深く記憶に残っている。弁当は感情や過去と密接に結びついている」。

張悦然氏は、「山東省出身の私の頭の中には、酥鍋(山東省の伝統的な年越し料理)の記憶が残っている。肉、魚、レンコン、昆布などを順に入れていく・・・・・・あの子供の頃の記憶は、年越し気分に溢れている」と語った。

 

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