創価学会インタナショナル(SGI)は、仙台市で3月14日から18日まで開催されている「第3回国連防災世界会議」を支援するサイドイベントとして、3月16日、政治的緊張が続く北東アジアにおける、防災上の協力強化の可能性に光を当てたパブリック・フォーラムを共催した。
このパブリック・フォーラム「北東アジアの連帯によるレジリエンスの強化」では、日中韓の市民社会代表が一堂に会した。
席上、日中韓三国協力事務局(TCS)の陳峰(チェン・フォン)事務次長は、日中韓が続けている災害対策のための連携強化の努力について概要を説明し、隣人同士である日中韓の各政府は、三国のうちいずれかが災害にあえば残りの二つの国も苦しむことになる、との見解を共にしていると述べた。
韓国災害救援協会(ホープ・ブリッジ)のパク・ヨンジン事務総長は、韓国での災害対応を改善する取り組みについて説明し、アジア太平洋地域にある既存の協力ネットワークを活用する重要性を強調した。
CANGO(中国国際民間組織合作促進会)の黄浩明(ファン・ハオミン)副理事長・事務局長からは、中国国内で災害対応を調整するうえでの課題とともに、北東アジアの地域協力を強化するための専門家・ボランティアの交流や特別テーマ会議の開催、最終的に災害リスク削減のための市民社会組織の連合体を正式に立ち上げるなどの提案が発表された。
国際協力NGOセンター(JANIC)政策提言担当および2015防災世界会議日本CSOネットワーク)事務局長の堀内葵氏は、防災世界会議で北東アジアに焦点を当てたサイドイベントは、本フォーラムだけであることを指摘。中韓をはじめ海外の人々に福島の原発事故から教訓を学んでもらうための小冊子を作るなど、JANICが支援する活動を紹介し、海外に親しい友人がいれば災害時の苦悩を想像しやすくなると、交流訪問の重要性を強調した。
協同組合ネクストステージ東北の生木大祐代表は、3・11の大地震と大津波の発生時に、宮城県沿岸部の水産加工工場に勤務する中国人研修生たちを守った活動と、このような国際協力を被災地で継続していくために取り組んでいる活動について発表した。
SGI平和運動局の寺崎広嗣局長は、同フォーラムについて、「日中韓三国は、政治面では多くの困難に直面していますが、だからこそ、市民社会組織のイニシアチブによって、草の根の民衆の間に協力の絆をむすぶ対話をしていくことが不可欠なのです」と総括した。
同フォーラムは、SGI、韓国KCOC、CANGO、ネクストステージ東北が共催し、国際協力NGOセンター(JANIC)および日中韓三国協力事務局(TCS)が後援している。
同日午後、2011年3月11日の大震災後の被災地の人々の力強い蘇生の姿を写真と文章で表現した、東北創価学会の制作によるパネル展「生命のかがやき」が、イベントホール松栄で公式に開幕した。同展は3月18日まで。
在家仏教団体・創価学会インタナショナル(SGI)は、長年にわたりアジア全域において災害後の救援活動に取り組んでおり、2011年3月11日の東日本大震災では東北各地に広く根ざした会員と会館のネットワークを通して積極的な救援活動を展開した。
人民中国インターネット版 2015年3月23日
|