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日本人作曲家・冨田勲が宮沢賢治の世界を音で表現し、ヴァーチャル・シンガーの初音ミクをソリストとして起用して話題となった「イーハトーヴ交響曲」が、5月20日に北京で上演される。中国の大型国際芸術祭「相約北京」(北京で会いましょう)の主催者が2日の記者会見で明らかにした。
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作曲家・冨田勲氏は札幌から初音ミク、宮沢賢治の故郷・岩手県のメンバーを中心とした百人からなる合唱団とともに北京を訪れる。中国中央音楽学院のオーケストラが演奏を担当し、中日のプレーヤーたちが一丸となり、宮沢賢治の世界を音で描くことになる。
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「イーハトーヴ交響曲」は2012年11月23日に東京オペラシティでの初演を皮切りに、日本各地で再演が繰り返されてきた人気の作品だ。オーケストラが初音ミクの歌に合わせるのではなく、指揮者に合わせて初音ミクの歌とCGモーションをすべてリアルタイムに演奏するというシステムが導入され、大きな反響を受けた。同作品の海外公演は今回が初めてで、また、芸術祭「相約北京」において、唯一の日本発プログラムでもある。
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今年83歳になる冨田勲氏は幼少時代を中国の北京と青島で過ごし、70年代から、シンセサイザーアーティストの先駆者として活躍してきた。米レコード会社・RCAから数々のアルバムをリリースし、1977年、アルバム「惑星」は全世界で250万枚を超えるセールスを記録した。(王小燕、胡徳勝)
中国国際放送局日本語 2015年4月8日
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