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笹川助成金で狭き門を突破 16人の若手中国研究者

 

文・写真=呉文欽

公益社団法人日本科学協会笹川スポーツ財団の共催による、2015年度笹川科学・笹川スポーツ研究助成「研究奨励の会」が、4月13日に東京で行われ、笹川陽平・日本財団会長、大島美恵子・日本科学協会会長、小野清子・笹川スポーツ財団理事長と2015年度研究奨励賞受賞者が出席した。 

 大島美恵子氏、笹川陽平氏、小野清子氏のあいさつ

笹川科学研究助成は1988年創設。在日で研究を行う若手科学研究者のための助成であり、助成件数は今年で8323件に達している。一方、笹川スポーツ研究助成は2011年の創設、日本のスポーツ振興とスポーツ政策の形成に寄与する人文・社会科学領域の研究を支援するための助成制度である。今年度は科学・スポーツ合わせて361件の申請が採択された。

今年度の科学助成金申請は1384件、うち採択は320件と4倍強の激戦となったが、この狭き門を突破した研究者のうち16人は中国からの留学生であった。

みごと助成金を獲得した山東省の聊城出身・呉佳斉さん(29)は、東京大学大学院で齧歯類の分子進化学を研究している。データ収集に多額の資金が必要で、助成金の獲得は今後の研究を進める上で大変助かったと喜びを隠せない。半年の留学生活ですっかり日本の生活にも慣れた呉さんは、日本人の研究に対する情熱と誠意には大いに触発されたと言う。

大島美恵子氏による科学研究部門決定通知書授与

小野清子氏による科学研究部門決定通知書授与

あいさつに立った大島美恵子氏は、「科学を研究する若い方々は、自身の研究成果について平易な言葉で社会に語りかけることが必要です。私はそれを科学者の『社会責任』と呼んでいます」と持論を展開、将来を担う若き科学者は研究対象に向かって常に誠実に、一般の人びと以上によく考え、自分の意見をしっかり持って社会とつながり、活躍してほしいと希望を語った。また、笹川陽平氏は「社会を変革する人の言葉は常に少数意見である」という福沢諭吉の言葉を引用、全ての若き研究者が強い意志による忍耐力と継続性をもって、研究テーマを深く掘り下げてほしいと述べた。

 

会場は終始リラックスした雰囲気だったが、「奨励賞」授賞式では緊張の面持ち

「このような栄誉ある賞をいただけてとても光栄です」と呉佳斉さん

 

人民中国インターネット版 2015年4月17日

 

 

 

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