中国の週刊誌「新周刊」は先日、オフィシャルサイトと微博(ウェイボー)の両方で「中国80後(1980年代生まれの人)の生活状況に関する調査」を実施。2521件の有効回答をまとめ、そこから中国「80後」の群像をリアルに描き出した。
中国の「80後」は2億人ほどおり、計画出産政策の施行後に生まれたため、その多くが一人っ子だ。1980~85年生まれの人はすでに30代に入り、就職、結婚、そして出産・子育ての時期を迎えている。「80後」の中で一番若い89年生まれの人も、大学を卒業している。社会人になった「80後」はさまざまな試練に直面している。マイホームを持っていない、結婚相手が見つからない、職場での競争が激しく、人間関係がうまくいかない、遠く離れている両親の面倒を見るのが難しい――。理想と現実の間に生じるギャップは彼らを当惑させ、悩ませる。にもかかわらず「未来は必ず明るくなる」と彼らは信じている。
今回の調査結果の概要は以下の通り。
1、「80後」の8割、月収は1万元以下
今回の調査に参加した「80後」のうち、半分以上は1986年から89年に生まれた人だ。彼らは主に一線都市と中小都市で就職し、民間企業に勤めている人は約5割で、国有企業と政府機関・公的事業機関がそれぞれ約2割を占めた。月収は3000~5999元(1元は約19円)が42%を占め、2999元以下、6000~9999元がそれぞれ約20%だった。つまり、「80後」の8割は月収が1万元以下ということになる。毎月の家賃、基本的な生活費、遊び代、電話代、交通費などを差し引けば、月収1万元でも広州のような一線都市では「月光族(毎月の給料を全部使い果たす人)」になってしまう。「房奴(住宅ローン返済のために生活苦に陥っている人)」や「車奴(車ローン返済のために生活苦に陥っている人)」の場合は、もっと過酷な生活が待っている。
「毎月の貯金額」について、999元以内と答えた人は45%、「現在の貯金額」について、4999~1万元と答えた人は27.33%、10万元以上は21.18%、残る18.84%は「月光族」だった。また、8割の「80後」は「親に全く仕送りをしていない」と答えた。さらに、毎月親の資金援助を頼りにしている「スネカジリ族」は18.81%を占めている。
2、10人のうち、4人が「房奴」
中国では、「持ち家」があるかどうかが恋愛や結婚をする上で重要な問題となる。調査によると、8割の「80後」は貯金が10万元以下なので、家を買うどころか、頭金にも足りない。このような状況から、34%の人は部屋を借りて住み、18%は両親の家に住んでいる。
不動産の購入契約をし、頭金を支払った人は29%で、住宅ローンまで支払い終わった人はわずか14%だった。「家の購入資金の出所」について、「大部分は親が支払い、一部を自分(配偶者を含む)の貯金から出した」と答えた人は26%、「親が全額支払った」と答えた人は19.48%、「自分で全額支払った」と答えた人はわずか14%だった。
また、「資金不足のため、今後2年以内は車を買わない」とした人は42.4%を占めている。マイカーを持っている人はわずか29%だった。
3、プレッシャーは仕事、生活、社会から
「『80後』が背負うプレッシャー」について、57.04%は「どの世代もそれなりのプレッシャーはあるから、特に重いとは思わない」と答え、37.52%は「プレッシャーは70後と90後よりも重いと思う」と答えた。
「居住都市の平均的な生活水準と比べ、自分の生活水準をどう思うか?」について、33.2%は「平均並み、不満」、25%は「平均を下回っている、不満」、23%は「平均並み、満足」と答えた。ここから、楽観的ではあるものの、幸福感が低い「80後」の心理状態が読み取れる。
それでは、彼らのプレッシャーはどこから来るのだろう?堂々の一位に輝いたのは「仕事」で、35.11%が「着実にキャリアを積み上げていくのは難しい」と答えた。二位は「生活」で、34.16%が「収入が少なくて、生活レベルが低い。家や車を買うにも、育児にも経済的負担がかかる」と答えた。三位は「社会の評価」で、20.12%が「社会からの要求が多すぎて、息苦しさを感じる」と答えた。また、10.61%は「親の期待が高すぎて、応えるのが難しい」と苦情を訴えている。
4、「80後」の日常生活は?
仕事の他に、「80後」は何をして遊んでいるのだろう?調査によると、ネットサーフィン(84.09%、多数選択可)、テレビ番組や映画を見る(65.91%)、スポーツ(47.43%)、睡眠をとる(45.45%)、ショッピング(40.91%)、本や雑誌を見る(22.75%)などの回答が上がったほか、旅行やお見合いざんまいといった回答もあった。
データから読み取れるように、「80後」の娯楽の大半を占めているのがネットだ。ネットショッピングやネットドラマ観賞、ネットゲーム、微信(WeChat)で時間つぶし。地下鉄や街を歩けば、あちこちで「うつむき族」と出会う。ネットは「80後」の余暇を支えていることがわかった。
このほか、婚前交渉に対しては、親の世代と比べ、「受け入れられるし、同意する」と答えた人が多かった。また、初恋の年齢については、約4割が「大学」と答え、「大学に進学する前」36.36%だった。
最後に「80後」の結婚状況を見てみよう。回答者の22.61%が既婚で子持ち、剩女(適齢期に達しているもかかわらず結婚していない女性)が20.75%、剩男(適齢期に達しているもかかわらず結婚していない男性)が18.8%。既婚で子なしが18.01%だった。(編集SC)
「人民網日本語版」2015年4月22日
|