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北京、大気汚染改善のため「交通渋滞費」導入か

 

北京市環境保護局の陳添局長は20日午後、市政府常務会議において、「今年1-3月期、北京の微小粒子状物質(PM2.5)の平均濃度は、前年同期比19%減の1立方メートルあたり92.7マイクログラムだった。重度大気汚染の日数も13日と、昨年に比べて7日減った。しかし、『年平均濃度を前年比5%減とする』という目標達成には高いハードルが待ち受けている。大気汚染対策は、依然として厳しい状況だ」と指摘した。京華時報が報じた。

PM2.5濃度が約2割減だった理由は気象条件

陳局長によると、1-3月期、汚染物質が停滞しにくい気象条件だったため、大気汚染がかなり解消した。昨年2月は、気象条件が非常に悪く、PM2.5の濃度が昨年最高の月平均1立方メートルあたり150マイクログラムを記録した。今年の同期は、例年並みの気象条件で、重度汚染の日数や頻度も大幅に減少した。重度汚染が継続したのはわずか1回だった。1-3月はいずれの月も、PM2.5の濃度が前年を下回り、どの月も1立方メートルあたり100マイクログラム以下だった。そのため、PM2.5の年平均濃度を押し上げずに済みそうだ。

年平均濃度前年比5%減の目標達成には高いハードル

大気の質の面で、今年は幸先の良いスタートを切ったものの、汚染改善の道はまだ険しい。陳局長は、「手元にある資料を分析したところ、今年も世界でエルニーニョ現象が発生する可能性がある。そのため、北京の気温は1年を通して高くなり、寒気の活動も弱いため、汚染物質が停滞しやすくなると予測されている。季節別に見ると、秋や冬に、重度の大気汚染が発生しやすい」としている。

2014年、北京市のPM2.5の年平均濃度は、1立方メートルあたり85.9マイクログラムで、13年より4%減少した。15年、同市政府は、平均濃度をさらに5%減少させ、1立方メートルあたり81.6マイクログラムとするという目標を掲げている。

陳局長は、「今年1-3月期のPM2.5濃度は、前年比大幅減の1立方メートルあたり92.7マイクログラムだったものの、目標値を11マイクログラム超えている。『年平均濃度前年比5%減』という目標達成には高いハードルが待ち受けている。今年4-12月の平均濃度を1立方メートルあたり78マイクログラムに抑えなければその目標は達成できない。大気汚染の改善業務は、依然として厳しい状況だ」と指摘した。

目標達成に向け「渋滞費」の導入も

陳局長によると、今年、大気汚染を改善するべく、84項目の計画が実施されており、そのほとんどが順調に進んでいる。うち、石炭火力発電所2カ所の営業停止や大気重度汚染緊急マニュアルの改訂、自動車の総量の抑制、新エネルギー車の走行を規制しない政策の制定、新エネルギータクシーの導入強化、汚染物質の排出削減、市区(県)の2級環境モニタリングの標準化などが終わっている。その他の78項目も、着実に推進されている。

PM2.5の年平均濃度前年比5%減という目標を達成するべく、北京は4-12月、石炭燃焼の減少やガソリン燃焼減少を目的とした自動車の総量抑制、汚染物質の排出削減、清掃強化などに引き続き力を入れ、相応の政策支援も実施する。また、汚染物質排出費の徴収を開始するほか、揮発性有機物の排出費、交通渋滞費の制定、有料駐車場の最適化、新エネルギー車の駐車料金・通行料金の減免などの優待策も実施する。

その他、7業界に対する大気汚染の原因となる汚染物質の排出基準の制定、実施も行う。また、▽ガソリンで走るタクシーの使用期限を8年から6年に短縮する▽電気自動車に対して走行制限を実施しない▽新ディーゼル車に対しては「中国第5段階の自動車排出基準」を適用する――といった内容の規定を打ち出すほか、大気重度汚染緊急マニュアルを改訂する。(編集KN)

「人民網日本語版」2015年4月22日

 

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