中国の民間調査機関「胡潤研究院」は27日、中国大陸部の「海外不動産購入動向報告」を発表。調査に答えた総資産額1000万元(約1億9千万円)以上の富豪の80%が、今後海外投資する意向を見せ、そのうち「不動産」が全体の4割以上を占めた。海外不動産購入の目的では、7割が「自分が住むため」、3分の1が「投資」と答え、平均投資額は600万元(約1億1400万円)だった。新京報が報じた。
回答者の半数以上「海外投資の経験あり」
同報告によると、中国大陸部には現在、個人の総資産額が1000万元(約1億9千万円)以上の富豪が109万人、1億元以上(約19億円)の富豪が約6万7000人、5億元(約95億円)以上の富豪が約1万7千人いる。
調査に答えたこれら富豪のうち、80%が今後海外投資する意向を見せ、半数以上が海外投資(企業及び個人)の経験があった。海外投資で最も人気だったのは▽不動産▽固定收益が望める国債など▽株式---だった。
また、海外投資する主な理由で最も多かったのは、「資産運用/リスクの分散」で19.8%。次に多かったのは、「子供の教育のため」で19.4%だった。
胡潤研究院が昨年11月に発表した「2014海外教育特別報告」によると、留学中の子供を持つ親の多くが子供の留学先で不動産を購入する計画を立てている。子供の住む場所を確保すると同時に、「投資」も目的の1つである。これが、中国人の海外不動産の購入に拍車をかけている。そのため、富豪の約半数が、「学校の近くの不動産を購入する」と答え、23%が「華人居住区」を選んだ。一方、三年以内に購入する予定の海外不動産で最多だったのは「一戸建ての別荘」で、38%を占めた。
北米の不動産が最も人気
胡潤研究院の創設者であるルパート・フーゲワーフ会長は、「今年の海外不動産購入は明らかに増加している。その主な原因は、元高。また、中国国内の一線都市の不動産価格は高騰しており、不動産市場もこの先数年間、成長が不透明」と分析している。
中国国内の不動産市場の成長が鈍化しているのに対し、海外不動産の購入は日に日に増加しており、特に北米が人気。米国とカナダだけで全体の80%以上を占めている。
具体的に見ると、富豪に最も人気なのは米国の不動産で、全体の60%。2位がカナダで22%を占めている。以下、欧洲7%、オーストラリア4%と続いている。最も人気の都市を見ると、トップ3はロサンゼルス、サンフランシスコ、バンクーバー。上位10都市のうち、7都市が北米の都市だ。
中国の富豪が海外不動産を好んで購入するようになっているのを、中国のデベロッパーは商機とにらみ、海外市場へと進出している。例えば、緑地集団は既に、米国やオーストラリア、カナダ、英国などに進出している。
また、万科集団は、香港やサンフランシスコ、ニューヨーク、シンガポールなどのプロジェクトに投資を進めている。その他、王健林や許栄茂、郭広昌、陳麗華、厳彬、潘石屹、張欣などの企業家も海外への投資を進めている。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年4月28日
|