復旦大学(上海)の関連の研究機構が3日、「インターネットと現代の大学生」に関する研究報告の一部「1990年代生まれの大学生のアイドル観」を発表。同年代の大学生に最も注目されている有名人は、インターネットサービス大手・アリババ社(阿里巴巴集団)の馬雲会長、日本の巨匠・宮崎駿監督、若手人気作家・韓寒(ハン・ハン)、中国の大富豪、ワンダ・グループ(万達集団)の取締役会長である王健林氏の一人息子・王思聡、平均年齢14歳の大人気ボーイズユニット・TFBoysだった。中国新聞網が報じた。
同調査は、さまざまな地域にある、さまざまなレベルの中国の大学2246校に通う大学生のうち、微博(ウェイボー)を利用している大学生1708人を無作為に選び実施。最近2年の微博の投稿内容を分析し、現代の大学生の理想や追い求めているもの、将来への展望、趣味などに迫った。
同調査では、調査対象となった大学生の評価が最も高いのは、不動産大手・華遠地産の任志強会長や馬雲(ジャック・マー)会長など、経済界の成功者だった。
トップ5人のうち、馬会長と宮崎監督を「実力系」とするなら、他の3人は、「アイドル系」と言えるかもしれない。
トップ5人らは皆、大学生の注目を浴びているものの、実力系に対しては高評価が多いのに対し、アイドル系に対してはブーイングも多い。
同報告は、馬会長が注目されている主な理由は「経済の分野における地位と影響力」と分析している。大学生は、馬会長の奮闘の道と個人としての成功に敬意を示している。馬会長は、大学生にとって奮闘する力、プラスのエネルギー、自信などの源となっている。馬会長は、若者の起業に対する熱い思い、インターネットに対する探究、富や成功へのあこがれを代弁しているとさえ言える。
新浪微博において、韓寒は4100万人以上のフォロワーを抱え、王思聡も1100万人以上のフォロワーを抱えている。一方、「TFBoys」は、自分の子供を溺愛するかのごとく応援してくれる「おばちゃんファン」を多くゲットしている。その若さともてはやされ感には、議論も巻き起こっている。
同報告によると、大学生の韓寒、王思聡、TFBoysに対する見方は二極化している。例えば、韓寒に対しては、その才気と個性を絶賛する声がある一方、文学的教養の欠如を指摘する声も上がっている。
また、王思聡に対しては、お金持ちの息子であることを羨むというよりも、それを傍観する見方が多く、そのとげとげしい言動にも寛容な態度を示している大学生がいる一方、その個性のきつさに反感を示す声もある。
TFBoysに対する評価では、メンバー3人の顔面偏差値の高さやかわいらしさに夢中になっている大学生がいる一方、音楽的才能はないとの厳しい意見や、10代そこそこで芸能界に入るという道や狂信的なファンに疑問の声を上げている大学生もいる。
同報告は、「90年代生まれの大学生に注目され好まれている有名人は、個性に満ちているものの、近づきやすいイメージ。そして、ポジティブな価値観や生活スタイルをもち、話題性、娯楽性に富んでいる」と分析している。
その他、「現代の大学生はインターネット上において、自由と有用な精神を追求している。他の人と同じであることを嫌い、おもしろおかしいことを傍観するのが好きだが、自分の観点も持っている」と分析する研究者もいる。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年5月5日
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