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小虎隊アレックス・スー監督デビュー作「左耳」 興収77億円突破

 

最近、青春映画はなぜこんなにも続けざまに製作されるのか?昨年末に公開され、5億4800万元(約105億9300万円)の興行収入をたたき出す大ヒットとなった青春映画「匆匆那年(原題)」の張一白(ジャン・イーバイ)監督は、「実は、中国の青春映画はそんなに多くない。よく数えてみると、5、6本程しかない。もし、『小時代(原題)』シリーズの数本を入れなければ、片手でも足りるほどだ」と語る。「匆匆那年(原題)」の興行成績がなぜ良かったのか、なぜ青春映画が注目されているのかについて張監督は、「我々は歴史的な借金を返しているからだ」という見方を示した。

「中国の若者、特に70年代や80年代生まれの世代は青春映画の記憶がからっぽだ。この世代の成長過程では、1本の青春映画の記憶さえないほどだ。2つの世代のほとんどが青春映画の記憶がない中、数本の映画でこの歴史的な欠如を満たせるだろうか?数字から見ても、青春映画は、まだまだ足りていないし、今後も、絶えず現れるだろう」という見方を示した。

■なぜ、青春映画が好まれるのか?「敷居が低い、製作費が少なくて済む、投資回収率が高い」

映画のジャンルは千差万別だ。その中で、青春映画が観客からの支持を独占する理由は、当然上述した心情に触れないわけにはいかない。しかし、青春映画が監督たちに好まれる最大の要因は、そもそも、敷居が低く、製作費が少なくて済み、投資回収率が高いことによる。いくつかの大ヒットした青春映画を見ると、製作費が4000万元(約7億7300万円)の「匆匆那年(原題)」は、興行収入が5億元を超え、製作側は2億元(約38億6600万円)の利益を得ている。「左耳」の製作費は、6000万元(約11億6000万円)だが、公開初日だけで基本的な製作費をすでに回収している。「何以笙簫黙(原題)」の主演を務めた黄暁明は、自らも投資者として映画製作に関わっており、恐らく自分のギャラを低く抑えているはずだ。恋敵となるもう一人の男性主人公にも友人の佟大為(トン・ダーウェイ)を迎え、恐らく謝礼程度のギャラしか払っていないはずなので、映画製作で最もお金がかかるキャストのギャラを低く抑えたことで、同映画の投資回収率は自然と高まっている。

技術的な敷居が比較的低い青春映画は、別の業界で活躍する人物が初めて映画監督に挑戦する際に好んで選択するジャンルになっている。複雑なストーリーは必要ない上、高い技術も必要とされない。単に基本的な人物関係さえうまく処理できればいいからだ。

 

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