中国国家衛生計画出産委員会は13日、「中国家庭発展報告(2015)」を発表。中国の家庭は小規模化しているほか、世帯環境も多様化している。うち、「出稼ぎ先で暮らす世帯」と「農村に残された世帯」が、中国の主な世帯環境となっている。各世帯の收入を見ると、收入が最も多い世帯20%と、收入が最も少ない世帯20%の差は19倍になっている。新京報が報じた。
独身男性は農村に、独身女性は都市部に集中
同報告によると、未婚の男性の多くは農村部に集中しており、年齢層もさまざま。一方、未婚の女性は都市部に集中している。
同報告は、中国は都市と農村部の差が大きく、農村から労働者が都市部へと流動するという特徴があると指摘。また、同年代の女性が少ないため、自分より若い年代の女性を配偶者として選ぶ男性が増加しているという現象から、婚活を行う地域を都市部から農村部に移す男性も増加している。
都市部の男性は、都市部にマッチする女性がいないとなると、農村部の女性を配偶者として探すようになっているのだ。
そして、最終的に、貧しい農村部の男性がその「被害者」となり、経済が十分に発展していない地域の結婚適齢期を過ぎた男性は結婚が難しくなり、生涯独身という立場に追いやられている。
その他、同報告によると、30歳以上の各年齢層の未婚者のうち、都市部の未婚女性の割合は、農村部の未婚の女性より高い。その主な原因は、一部の都市部の女性は、高い教育を受け、経済的に独立しており、自身の価値を高めたり、仕事においてキャリアを積んだりすることに重きを置いているため、結婚が二の次になっているためだ。
農村部の子供の3割「親は出稼ぎでおらず」
中国では、都市化が進められる過程で、農村の労働者が都市部に移っており、その家族が農村に残されるという現象が起きるため、「残された子供で成る世帯」、「残された女性で成る世帯」、「残された高齢者で成る世帯」など、農村部の各世帯は特殊な状況になっている。
調査によると、「出稼ぎ先で暮らす世帯」と「農村に残された世帯」が、中国の主な世帯環境となっている。うち、「出稼ぎ先で暮らす世帯」が17.2%を占めている。
データによると、農村の子供のうち、親が出稼ぎに出、農村に残されている子供が35.1%を占めている。さらに、そのうちの約半数は、両親共に出稼ぎに出ている。そのような子供は、家庭で両親の愛を十分に受けることができないため、健全な成長という面で、悪影響を受ける。
地域別に見ると、「親が出稼ぎに出、農村に残されている子供」の割合が高いのは、中国の中部や西部。それら地域の分布は、農村の労働者が他の地域に流出している地域の分布ともマッチしている。中国では主に、西部の農村の労働者が東部の沿海地域に移動している。
同報告は、「親が出稼ぎに出、農村に残されている子供」のうち、学齢期前の子供達は、祖父母が世話しており、それら保護者は往々にして学歴が低く、基本的な衛生知識に欠けていたり、病気を予防するという意識に欠けているため、病気を患う確率が高いと指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年5月14日
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