中国青年報社会調査センターがこのほど行った今後5年の社会心理予期調査によると、回答者が今後5年の社会問題として最も心配しているのは「環境汚染」(65.6%)、「貧富の差の拡大」(51.1%)、「高齢者介護」(40.1%)だった。これに「就業」(37.7%)、「医療」(37.2%)、「食品安全」(35.3%)が続いた。「都市と農村の格差」(33.0%)、「官僚の腐敗」(32.6%)、「住宅」(30.6%)なども回答者が心配している問題だった。中国青年報が伝えた。
今後5年で改善が期待される分野について回答者の認識は一致し、半数近くの回答者(49.9%)が官僚の腐敗は今後5年で改善されると考えており、これに続く「医療」を20ポイント上回った。これは現在行われている反腐敗の力の入れようとその成果によるものと見られる。回答者が今後5年で改善されると考えている問題にはさらに「住宅」(26.9%)、「環境」(26.9%)、「都市と農村の格差」(25.0%)、「教育」(24.3%)、「高齢者介護」(18.0%)、「食品安全」(17.6%)、「社会・治安情勢」(15.7%)、「就業」(15.5%)が挙がった。
飲食業に従事する周さん(男性)は、中央による大規模な反腐敗と「四風」(形式主義、官僚主義 、享楽主義、贅沢主義の4つの風潮)の取り締まりを支持している。「これまでは店舗を開くために政府部門で手続きをしようと思っても、政府部門のドアは入りにくいし、役人の態度は悪いし、手続きも難しかった」。だが中央による反腐敗による成果で大物の「虎」が打ち落とされ、基層政府部門の公務員の態度も変わっている。周さんは、今後5年も反腐敗闘争が続き、本当に人々のために働く官僚が増え、汚職や腐敗に手を染める官僚が減ることを望んでいる。
今後5年で人々が期待していることは何か。今回の調査によると、ほとんどの回答者が今後5年での収入増を期待していることがわかった。このほか職業に応じて期待が異なることもわかった。例えば科学技術の従事者は子女の教育問題に関心が高く、出稼ぎ労働者は結婚や恋愛の問題に関心が高く、大学生は就業問題に関心が高い。今後の政策制定にあたっては、人々の異なる要求を満たすための多様化も必要となる。そうしてこそ社会各層の「安全感」と「獲得感」が確保できるようになる。
「人民網日本語版」2015年5月19日
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