北京ではここ数日快晴が続いているが、大気質は悪く、汚染が生じている。これはなぜだろう?北京では25日以降、長期にわたり主要汚染物の地位を保っていたPM2.5(微小粒子状物質)に代わり、オゾンが主要汚染物となった。その危害の程度はPM2.5に劣らないという。新京報が伝えた。
北京市環境保護モニタリングセンターは、オゾンによる中度汚染は木曜(28日)まで続き、金曜(29日)には大気汚染指数が2級(良)に回復する見込みと予測している。
▽連日続くオゾン汚染
26日午後、北京の市街地6区のオゾン濃度が1立方メートルあたり270マイクログラム、北部では同300マイクログラム前後に達した。オゾン汚染は25日から始まった。25日午後、市街地のPM2.5の濃度は1立方メートルあたり106マイクログラムだったが、オゾン濃度は同294マイクログラムに達していた。この時間帯、市内の各地でオゾン濃度が1立方メートルあたり250マイクログラム以上を記録、昌平、延慶、密雲など、PM2.5の濃度が比較的低い地域でも、オゾン濃度は1立方メートルあたり300マイクログラムを上回った。
大気質の基準によれば、オゾンの8時間あたりの平均濃度が1立方あたり160マイクログラム以下の場合、大気質は「優」、160マイクログラム~200マイクログラムの場合、大気質は「良好」、200マイクログラム以上の場合は「汚染」となる。
▽強い太陽光と高温によりオゾン濃度が上昇
オゾン汚染は気づきにくいものだが、具体的にどのような状況なのだろうか?環境保護部(省)がこのほど発表した大気質に関する報告によると、北京・天津・河北地域の6~8月の汚染日の約半数では、オゾンがPM2.5を上回り、主要汚染物となっている。北京市環境保護モニタリングセンターによると、5~9月の高気温の日には、オゾン濃度が基準を超過し易いという。
オゾンとは一体何か?環境保護の専門家によると、オゾンは通常、地上から30キロメートル前後離れた高層の大気中に存在し、紫外線を遮り、人類の健康を守っている。ただし、地上に近づくと、オゾンは光化学スモッグの主要成分となり、一転して汚染物質に変わってしまう。自動車の排気ガスなどに含まれる窒素酸化物が、日光に含まれる紫外線により光化学反応を起こして変質すると、オゾンが発生する。このため、太陽の光が強烈で、気温が高まる夏にはオゾンの値が基準を超過し易い。
同センターは、27日もオゾンが主要汚染物となり、大気質は中度汚染、汚染は28日まで続き、29日には大気汚染指数が2級(良)に回復すると予測している。
「人民網日本語版」2015年5月27日
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