「携帯をオフにして、両親と一緒に食事をする」、「お母さんにパックをしてあげる」、「両親に電話をかける」、「両親に微信(WeChat)の使い方を教えてあげる」、「両親に健康診断を受けさせる」、「出張に行ったら両親にお土産を買って帰る」、「両親のペースに合わせて、ゆっくり歩く」……。中国のネット上では最近、親孝行を促すさまざまな画像が話題を呼び、「現代版二十四孝(中国において後世の範として、孝行が特に優れた人物24人を取り上げた書物)」と呼ばれている。 人民日報が報じた。
父が亡くなったものの、貧しいのでお金がなく、身売りをしてその金で葬式をした董永。実母が健在の折、冬の極寒の際に魚が食べたいと言い、氷に覆われた河で魚を見つけてきた王祥。二十四孝に出てくる物語と比べると、今の人にとっては「現代版二十四孝」のほうが、現実味があって親しみやすいだろう。中国人民大学教育学院の程方平教授は、「偉大すぎて自分にはできないと思わせるより、現代版二十四孝のように、普段の生活に溶け込んだ内容のほうがいい」と評価している。
ネットユーザーらは、「初め見たときは何とも思わなかったけど、後からよく考えると、自責の念がわいてきた。忙しいというのは単なる言い訳で、親のことをないがしろにしているだけのこと……」という声のほか、「簡単に見えるけど、どうして実行できないのだろう」、「いつも面倒くさがってしまう。両親に散歩に行こうといわれても、無精で、疲れてると言ってしまう……」、「食事の時、両親とほとんど会話をせず、ずっと携帯をいじっている」、「両親は自分に良くしてくれるだけで、叱ったり、何かを強制したりすることはないと知っているから、つい……」など、 「現代版二十四孝」もなかなか実行に移せないという声を上げている。
「現代版二十四孝」の各画像は、多くの人にとって考えさせられる内容となっており、ネットユーザーからは、「両親の要求は、実際には高くない」、「人生は長くて900カ月ほど。両親が50歳だとすると、一緒にいられる時間は人生の3分の1ほど。1年に1度会うだけなら、一緒にいる時間は900分の1にも満たない」などのコメントも寄せられている。河南芸術職業学院のある学生が校内で行った調査によると、回答者は「あなたは何が好きですか?」との質問にはすぐに答えたものの、「両親は何が好きですか」と質問すると、多くの回答者が、なかなか答えられなかった。
ネット上で大きな話題となっているため、河南郵政公司はこのほど、「現代版二十四孝」の切手を発売した。また、人民日報が微博の公式アカウントに、これら画像を投稿すると、共産主義青年団河南省委員会も、それを青年メンバーに転送。さらにスレッドを立ち上げて、クリック回数が337万2600回、転送回数が30万回に達した。
その他、多くのネットユーザーが、両親にまつわるエピソードを寄せている。例えば、80年代生まれの江蕾さんは、「両親がおもしろい投稿をしたら『いいね!』を送るようにしている。若い人にはあまりおもしろさが分からないこともあるけど、両親の情報源は限られているし。ネット上では、両親に合わせてあげないと」とし、周口職業技術学院の杜明克さんも、「両親は世界で最も容易に満足してくれる人。以前にアルバイトで稼いだお金でマッサージ棒をお母さんに買ってあげたら、『もったいない』と一回も使っていない。後で聞いたら、お客さんが来るたびに、それを出してきて『息子が買ってくれた』と自慢しているらしい……」とコメントを寄せている。
また、ネットユーザーからは、「ネット社会の今、両親をないがしろにしてはいけない」、「親孝行ってこんなに簡単なんだ。時間を作って、両親に電話しよう」との声も寄せられている。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年6月1日
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