中国の高血圧患者数は2億7千万人を超え、低年齢化が進み、欧米先進諸国並みに近づいている。このほど開催された「第1回中国国際児童肥満・高血圧学術シンポジウム」において、「肥満児童・高血圧児童は、健康上のリスクが大きい。健全な成長に悪影響を及ぼし、心肺機能の改善や向上の妨げとなるだけではなく、思春期の心理面での発達にもマイナス影響を及ぼし、問題が生じる恐れがある」ことが指摘された。新京報が報じた。
〇環渤海一帯では、子供の過体重・肥満が多発
北京市児童・成人慢性病予防・治療弁公室の室長を務める米傑研究員は、「世界で毎年3800万人が、非感染性の慢性疾患が原因で死亡している。このうち、中国の死亡者数は2割近くを占め、肥満と高血圧が主要な危険因子となっている。現在、中国の肥満者数は世界第2位、高血圧患者は2億7千万人を超え、しかも低年齢化の傾向を呈し、欧米先進諸国並みに近づいている」と紹介した。
ライフスタイルが変わり、「動かない生活」が主流になるにつれて、個人のエネルギー摂取量と消費量にアンバランスが生じることから、中国では、過体重・肥満傾向にある小中高生が増加の一途をたどっている。2014年、国内で過体重・肥満の人が多発した地域は、華北・華東地域に集中、特に環渤海一帯が目立った。専門家は、「肥満はすでに立派な疾病であり、高コレステロール血症や原発性高血圧など、成人に多く見られる疾病の危険因子となり得る」と指摘した。
〇肥満は小児高血圧の危険因子
米研究員は、「子供の肥満や高血圧は、さまざまな健康上のリスクを高める。肥満児童のうち約3割に高血圧の傾向が見られ、半数以上がコレステロール異常を抱えている。肥満児童の7割と高血圧児童の4割は、成人後の心血管疾患の罹患率がかなり高い」と述べた。
児童期の高血圧は、肥満、高コレステロール、長期におよぶ炭水化物の過剰摂取、「動かない」生活様式と非常に密接な関係がある。肥満(徳に腹部の肥満)は、子供が高血圧となる危険因子の一つである。
肥満と高血圧は、運動不足や「動かない」生活など、同じような環境下で発生する確率が高い。専門家は、「適度に運動をして、動かないままでいる時間を減らすことが、肥満や高血圧を寄せ付けないための有効な方法だ」とアドバイスしている。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年6月3日
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