米ハーバード大学のある研究結果に、一部の中国人がSNS上で、「自分は色黒だが誇りを感じる」との声を上げている。参考消息網が英国放送協会(BBC)のサイトの報道を引用して報じた。
BBCのサイトによると、肌を保護し、実際の年齢より若く見える遺伝子構成を持っている幸運な人が少数ながらいるという、ハーバード大学の博士らが行った研究が世界で注目を集めている。
同研究は肌の色にはそれほど注目していないものの、カナダで開催された皮膚科学会では、「色黒の人のほうが、色白の人より、同遺伝子構成を有している可能性が2倍高い」との発表もされた。
この研究は、色白が美の基準となってきた中国のSNS上では、海外メディアが注目するほどの大きな話題となった。
中国では、SNSユーザー400万人以上が同研究を閲覧し、数千人が微博(ウェイボー)上で議論を繰り広げている。
色黒を「恥」と見なし、泳ぐ時も紫外線対策用覆面マスク「顔キニ」を着用する文化の中で生活している色黒の中国人は、この研究に「色黒であることに誇りを感じる」との書き込みを投稿するネットユーザーがいる。
しかし、色白だと、老けて見える可能性が高くなるにもかかわらず、あるネットユーザーの「それでも、中国では色白が『美』の代表」との書き込みには、支持するメッセージが200件以上寄せられるなど、色白びいきの考え方は根深いようだ。
「同研究は、人種には触れておらず、色黒の米国人と色白の米国人を比較しているだけ」という声もある。それに対して、あるネットユーザーは「研究が触れているのは黒人で、色黒のアジア人は含まれていない」との声を寄せている。
また、人種偏見や「色白=美」という考えに反対する声も寄せられている。例えば、「生まれた時に色白であれば色白、色黒であれば色黒。本当の美しさは内面の美しさにかかっている。内面の美しさを備えている人は、色白とは限らない」との声がある。
このような議論では主に、西洋人と中国の有名人が比較されており、科学的な論争はない。実際には、「美」に対する見方は徐々に変化しており、一部の中国の都市では、「日焼けサロン」が流行している。 (編集KN)
「人民網日本語版」2015年6月24日
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