四川省や内蒙古(モンゴル)自治区が、7月より、最低賃金基準を引き上げた。大まかな統計によると、現時点までに、中国全国で最低賃金基準を引き上げた地域は14に上った。このうち、上海・深セン両都市の最低賃金基準は、2千元(約4万円)の大台を上回った。中国新聞網が報じた。
四川省と内モンゴル自治区は7月1日、最低賃金基準をそれぞれ引き上げた。四川省の引き上げ後の最低賃金基準は、最高で1500元(約3万円)、パートタイム勤務の最低時給基準は最高で15.7元(約310円)。内モンゴル自治区では、最低月給基準は、これまでの1500元(約3万円)から1640元(約3万2500円)に、パートタイムの最低時給基準は、12.2元(約240円)から13.3元(約270円)に、それぞれ引き上げられた。
四川と内モンゴルが最低賃金基準を引き上げたことで、大まかな統計によると、今年に入り、全国で相前後して最低賃金基準の引き上げを発表した地域は、湖南、海南、チベット、天津、深セン、山東、陝西、北京、上海、天津、甘粛、山西、四川、内モンゴルの14省市となった。
改定後の最低月給基準は、深センが2030元(約4万200円)、上海が2020元(約4万20円)と、いずれも2千元の大台を上回った。最低時給基準が最も高かったのは北京で、18.7元(約370円)に達した。
最低賃金基準の実質の価値で見ると、上海と北京はいずれも、最低賃金基準に「各種社会保険料と住宅公共積立金の個人負担分」が含まれておらず、雇用者が規定に基づき別途支払うこととなっているため、これら2都市の最低賃金基準の実質の価値は、いっそう高くなっている。
「最低賃金規定」によると、最低賃金基準は、月あたりの最低賃金(最低月給)と時間あたりの最低基準(最低時給)を定めるのが一般的な方法。最低月給基準はフルタイム(正規)労働者に、最低時給基準はパートタイム(非正規)労働者に、それぞれ適用される。各地は、最低2年に1度は最低賃金基準を見直さなければならない。
年初来、中国経済の下方圧力が依然大きいが、最低賃金基準の引き上げを実施した地域の数は、めっきり少なくなっている訳ではない。人的資源・社会保障部(省)の統計データによると、2014年に最低賃金基準を引き上げた地域は19に上った。一方、今年は、半期が経過した時点で、すでに14の地域が引き上げを実施した。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年7月3日
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