中国民政部(省)がこのほど発表した「2014年社会サービス発展統計公報」によると、中国全国で2014年に離婚届を提出したカップルは363万7千組だった。中国における離婚率は、2003年以来、12年連続で増加傾向にある。北京市の離婚件数も、12年連続増加し続けており、昨年は5万5千件あまりと、全国各大都市の「トップ」となった。新京報が伝えた。
〇離婚件数、2013年に小さなピーク
2002年から現在までの統計データによると、中国における離婚率は、12年連続で少しずつ増加している。離婚した人の数は多数を維持しており、2010年の267万8千組から2014年には363万7千組に増えた。北京と上海は、この数年間ずっと、離婚する市民が最も多い都市となっている。北京市で2014年に離婚届を出したカップルは5万5944組に上った。北京市民政局の担当者によると、「スピード結婚・スピード離婚」現象がここ数年かなり増えており、市内で最も離婚件数が多い区・県は、海淀区と朝陽区という。
ここ十数年の統計データによると、中国全国における2013年の離婚件数は、前年比21.8%増の350万件、増加幅は過去最大を記録した。北京市における2013年の離婚件数は、前年より3万件近く増えて5万4千組に達し、やはり増加幅は過去最大だった。同年の上海市の離婚件数は、過去最多の6万件あまり。広州市の2013年離婚件数は2万4822件、前年より4千件以上増え、2003年の離婚件数の5倍以上に達した。
専門家は、「2013年3月に発表された不動産市場調整政策『新国五条』細則では、『不動産売却に伴う資産譲渡所得税を20%とする』と規定されたことから、『税金免除』のための『簡単な方法』として、駆け込み離婚を断行するカップルが激増した」と指摘した。
〇専門家 微信(Wechat)・陌陌(momo)が結婚生活を破たんに導く新たな「キラー」に
中国法学会婚姻家庭法学研究会の専門家・盧明生氏は、離婚が増加の一途をたどっている現状の裏に潜む原因について、次のような見方を示した。
最高人民法院が2011年に発表した「婚姻法司法解釈(三)」は、離婚件数がここ数年増えた重要な原因のひとつと言えよう。この司法解釈が発表された後、離婚に伴う財産分割がより簡単になった。さらに、国務院が2003年に発表した新「婚姻登記条例」では、離婚手続きが大幅に簡素化された。もはや1カ月かかる審査を待つことや、紹介状を提出する必要がなくなった。
離婚手続きの簡素化と離婚当事者の個人財産権の明確化のほか、中国でここ数年離婚が増え続けている主な原因として、社会のリズムが加速したことと、社会観念の変化が挙げられる。生きていく上でのプレッシャーが増大する一方で、社会保障が不足しており、夫婦間の相互理解や相互受容の力が弱まっている。また、結婚に対する考え方も、昔のように、「結婚は神聖極まりないもの」と捉えることはなくなり、「お互いに合わなければ離婚すれば良い」という風潮が高まった。
このほか、不倫の増加も、離婚率が上昇した原因のひとつとなっている。複数の弁護士事務所によると、離婚訴訟のうち、半数以上は不倫問題が絡んでいるという。夫婦関係に問題が生じたとき、微信(Wechat)や陌陌(momo)などのSNSが、婚外関係を招くツールとなり、最終的に結婚生活を破たんに導く「新たなキラー」となっている。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年7月6日
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