7月10日と11日に開催された中国共産党北京市委員会第11期第7回会議で、「北京・天津・河北の共同発展計画要綱」の徹底実施に関する北京市のロードマップとスケジュールが明らかにされた。特に北京の東郊外にある通州区に関しては、「通州に照準を当て、プランの論証を深め、市行政副都心建設の計画を加速、2017年までに一定の効果を上げる」ことが指摘された。通州の現在の建設計画はどうなっているのだろう?北京市計画委員会の関係者が疑問に答えた。人民日報が伝えた。
北京市に副都心が必要なわけは?
北京市計画委員会の黄艶委員長によると、行政副都心の建設には、中心市街地の人口・機能を分散し、地域の発展を促すという目的がある。「北京・天津・河北の共同発展計画要綱」および、同要綱の徹底実施に関する中国共産党北京市委員会の意見では、「北京市の行政・事業機関の全体あるいは一部分を、行政副都心に移転する」ことが指摘された。
黄委員長は、「世界的に見ても、超大都市や複合的な機能を担う首都は、急速な発展に伴い『大都市病』という問題に直面しており、副都心の建設によってこれを解決している。これは一般的に国家プロジェクトだ。ソウルや東京、パリ、ロンドンなどはいずれもこの方法を採用している」と述べる。
同委員会の王飛副委員長は、「大都市病の治療においては、▽北京市の非首都機能の分散▽首都の核心的機能の改良・改善▽都市空間の配置調整▽都市機能の再編--という4つのポイントがある。中でも、行政副都心の建設加速は重要な措置だ」と指摘する。
通州が選ばれたわけは?
通州が副都心に選ばれたのには、歴史的・現実的な様々な原因がある。
1993年の都市全体計画において、通州の衛星都市としての位置づけは高い注目を集めた。2005年に国務院が承認した「北京都市全体計画(2004-2020)」では、通州が重要なニュータウンに定められた。全体計画ではさらに、通州に開発用の土地を残し、将来的に行政用地として使用することが提起された。これにより、北京・天津・河北の共同発展における、行政副都心の新たな位置づけと、市の行政・事業機関の移転先という機能がより明確化された。
通州の行政副都心としてのインフラはすでに整っている。地下鉄は中心部まで到達し、環状道路や高速道路といった交通網も形成されている。質の高い医療・教育施設も整っており、運河両岸の景色も美しく整備され、都市部の建設用地も効果的に制限されている。
通州の今後の計画は?
黄委員長は「通州の計画においては、北京・天津・河北という大きな視点、北京市の機能分散という大局、市全体の生態緑地システムといった多くの点を考慮する必要がある」と述べる。
通州は北京の東の入り口であり、北京市街地との関係をうまく処理しなければならない一方で、河北省の周辺都市との連携という問題もある。
市街地の行政・事業機関や機能が移転すれば、それに伴ってビジネス・文化などの関連施設も必要となる。これらのニーズを如何に段階的に解決するかは、計画や管理において事前に考慮すべき点だ。
交通の便は肝心なポイントとなる。計画には、ライトレール、高速道路、地下鉄の立体的な交通網を建設し、30分以内に市街地に到達できるようにするほか、地域の統一計画による開放的な交通を構築し、空港、周辺のニュータウン、河北省とのスムーズな行き来を実現することが盛り込まれている。また、ニュータウン内に人に優しい交通システムを構築し、林道を隅々にまでいきわたらせ、徒歩や自転車を主な移動手段とする。このほか、質の高い医療・教育施設を配置する。
通州区の発展計画は、北京市全体計画の改定と連動して改善が進められているという。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年7月17日
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