中国宋慶齢基金会とトヨタ助学基金が主催する大学生サマーキャンプが4日、 四川省成都市で始まった。5日間の同キャンプには、学費援助を受ける中国中西部地域の大学26校の大学生約260人が参加し、体験学習、社会実践、トヨタの知識講座、キャリアプランなどのイベントに参加する。その他、以前、学費援助を受け、既に就職している16人も駆け付け、大学生時代の経験を語っている。人民網が報じた。
今年、中国宋慶齢基金会とトヨタ自動車が共同で設立した「トヨタ助学基金」は設立10周年を迎えた。設立された06年から10年には、大学20校の1060人を卒業まで援助した。11年から13年には、大学25校の750人が援助を受け、無事卒業、就職した。14年からは、大学26校の 780人を援助しており、20年まで援助を続ける。
長期にわたって、教育の分野の公益活動に携わっている理由について、トヨタ自動車の菅原英喜・社会貢献推進部長は、「現地社会に根付き、良い企業となるという当社の企業理念に基づいている。同理念に基づいて、『トヨタ助学基金』は、経済的に厳しい状況に直面しているものの理想を持つ中国の学生が『大学を卒業する』という夢を実現できるようサポートしている。最終的に、有用な社会人になってもらいたい。大学生達には、『助けを受け』て『自立』し、『他の人を助ける』立場になるという変化を経験してもらいたい。そして、中国社会の発展に貢献すると同時に、中日友好の懸け橋になってもらいたい」と語る。
中国宋慶齢基金会の井頓泉・副会長は取材に対して、「『トヨタ助学基金』は、困難に直面している学生に対して、経済上のサポートを行うだけでなく、人生における価値観の面でも大きな影響を与えている。学生達が、援助を受ける立場から、自ら自立して強くなるよう助けている。サマーキャンプで、学生達は、トヨタのようなグローバル大企業のイノベーション意識やチーム精神を学ぶ機会があるほか、さまざまな地域から来た学生と切磋琢磨することもできる。学生が人格を磨いたり、将来就職したりする点で大きく役立ち、人生の財産になるに違いない」と語った。
サマーキャンプのオープニングセレモニー終了後、中国宋慶齢基金会とトヨタ助学基金が今年立ち上げたオンライン交流プラットホームの設置記念セレモニーも行われた。援助を受ける学生らは、このプラットホームを通して、情報の交換や共有を行うことができる。
トヨタ助学基金は2015年度の申込を8月1日から9月13日にまで受け付けている。中西部地域の指定大学26校への入学を志望する、品行、学力共に優れている高校三年生の学生は、中国宋慶齢基金会やトヨタ自動車(中国)投資有限公司のサイト、指定大学26校のサイトなどで、申込用紙をダウンロードし、各大学の「トヨタ助学金弁公室」に郵送することができる。審査結果は、10月中旬に発表される。審査で選ばれた学生は一人当たり1年4000元(約8万円)の援助を受けることができる。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年8月6日
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