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国有企業改革、トップダウン設計案が近く発表 合併再編が新たな段階に

 

国有企業改革に関する中国政府のトップダウン設計案が国務院で正式承認され、近く発表される見通しだ。「経済参考報」が権威筋からの情報として伝えた。

国有企業改革の重点の1つは、国有企業の分類と、分類に基づく監督管理だ。中国企業研究院の李錦向首席研究員によると、国有企業は「公益型」と「市場競争型」に分類するのがほぼ共通認識になっている。次の段階は、市場化の原則に則ったうえで、◇産業の安全保障を前提に混合所有制改革を深化、なかでも市場競争型国有企業について民間資本の受け入れを一段と進める。◇国内市場での合併再編を加速するとともに、海外進出も推進する。――などが改革の重点になる見通しだ。

このほか、現代的管理制度の構築、従業員持ち株制度の拡大、全体上場の推進、国有資産証券化率の引き上げ、国際競争力の向上など、国有企業の内部改革も深化する見込みだ。

専門家は、トップダウン設計案が発表されれば、国有企業改革の目標や手順、方向性、重点がすべて明らかになり、下半期は実体経済発展のが重要課題になると指摘。国有企業もまた実体経済の成長に重要な役割を果たすため、国有企業改革は下半期に急速な進展が期待できるとみている。

安信証券はリポートで、国有企業の合併再編を海外進出組と国内組に分け、それぞれ2つのタイプに分類。海外進出組については「一帯一路戦略型」と「ハイエンド設備輸出戦略型」、国内組については「過剰生産能力削減型」と「産業集中度向上型」、以上4つのタイプに分けた。

2014年7月15日に国務院国有資産監督管理委員会(国資委)が中央企業6社を対象に「四項改革」(4項目の内容が盛り込まれた中央企業改革試行案)を実施すると発表。具体的な改革案はまだ発表されていないが、中国医薬集団総公司、中国建築材料集団公司、新興際華集団有限公司、中糧集団有限公司などの中央企業6社は、従業員持ち株制度、混合所有制などをはじめとする複数の改革案を独自に試行しており、これらの試行状況も政府案形成の一助になっているもよう。

地方の国有企業改革も加速している。上海市が昨年「国有企業・国有資産改革に関する二十条の大綱」を発表したのに続き、25を超える省・市が国有企業改革案を発表した。これらをみると、再編統合、混合所有制改革、資産証券化などが下半期の地方国有企業改革の重点目標や課題となっている。上海市、広東省、重慶市、山東省、北京市、湖南省、江西省などは証券化率向上や資産統合、合併再編などに取り組むとしている。

「実体経済の活性化が今後の安定成長のカギであり、国有企業は実体経済の最前線で最も重要な役割を担う」と李錦向研究員は語る。国有企業は地方、中央を問わず、市場化の原則に則り、下半期は混合所有制改革や従業員持ち株制度、中央企業の分類などといった内容の国有企業改革が全面的に加速する見込みだ。

 

 

 

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