アリババ(阿里巴巴)と蘇寧が「結婚」してうち出す第一弾商品は「日本製便座」だ。1週間前に蘇寧に出資して2番目の株主になったばかりのアリババは17日、蘇寧が天猫(Tモール)に出店することを明らかにした。また蘇寧傘下の日本最大の免税店ブランド・ラオックスも天猫への出店を明らかにした。ラオックスは天猫国際(Tモールグローバル)の利用者のために、家電製品、キッチン・バス用品、化粧品など人気のあるさまざまな日本の商品を重点的に導入するとしている。「北京日報」が伝えた。
資料によると、蘇寧は2009年にラオックスに出資し、筆頭株主となった。今回の協力では、天猫国際はビッグデータを利用してラオックスの中国市場開拓を積極的に支援すると同時に、供給チェーンのさらなる整備を共同で推進し、将来的には双方が中日の全ルート融合などで全方位的な協力を展開することを目指す。アリババが蘇寧をよりどころにして国境を越えた事業を拡張しつつあることがうかがえる。
日本の観光庁が発表したデータによると、2014年の訪日外国人観光客の旅行消費額は1009億8千万元(約1兆9599億円)に上り、このうち中国人観光客が約3割を占め、免税店ではラオックスの知名度が最も高かった。15年の春節(旧正月)連休期間には、秋葉原、銀座、北海道、大阪、福岡、沖縄などのラオックス店舗で中国人観光客が電子ジャーや便座を争うようにして買う光景がみられた。アリババグループ中国小売事業グループの張建鋒総裁は、「2015年はアリババと蘇寧がグローバル化を同時に全面的に推進するようになった初めの年で、双方は輸入の戦略で共通認識に達し、今後は手を取り合ってグローバル化された新しいビジネス生態システムの構築を急ピッチで進めていく」と話す。
アリババにとって蘇寧がもつ意義はこれだけではない。アリババ関係者によると、双方が協力を発表した後、蘇寧のオンラインショッピングプラットフォーム・蘇寧易購は30人からなるチームを天猫本社に派遣し、これには情報技術(IT)、ウェブデザイン、イベント計画、商品調達、顧客サービス、物流配送などを担う人材が含まれていた。また双方は常設の交流メカニズムを構築し、IP電話会議も20数回にわたり開催した。蘇寧とアリババのオフライン資源はまもなく統合される見込みで、これには物流配送やオフラインの実店舗などが含まれ、予定では9月に北京市場でテスト運営を開始する。そうなればアリババの物流会社・菜鳥網絡科技有限公司の物流網の郊外以遠の区・県における配送効率の低さや中型・小型商品の配送コストの高さといった欠陥を補うことになるばかりか、蘇寧の物流網と天猫のプラットフォームをよりどころにして、店舗が1日3回の貨物発送と2時間以内の超スピード配送を行うことが可能になる。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年8月18日
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