世界経済フォーラムのニューチャンピオンズ年次総会2015(第9回夏季ダボス会議)が今月9~11日に遼寧省大連市で開催される。今回は中国の経済成長の新常態(ニューノーマル)、世界経済の発展、中国株式市場の変動といった人々が関心を寄せる話題が話し合いの重点になるとみられる。中国広播網が伝えた。
今回の会議では「成長の新たな青写真を描く」というテーマをめぐり、経済の不確定性、科学の変革、倒された産業、中国の新常態、環境の限界、人の意義の6つの議題に関連して100あまりの分科会が行われ、90数カ国の代表1500人が参加する見込みだ。
▽世界経済は深い泥沼に FRBの利上げ時期に注目
今年になってから、世界経済が、とりわけ欧州と日本の経済が再び泥沼に陥った。「グローバル貿易モニタリング」のデータによると、4~6月にグローバル貿易額は前年同期比0.5%減少し、日本の国内経済は第2四半期(4-6月)に再びマイナス成長となり、ギリシャをはじめ、ポルトガルやアイルランドなどの欧州諸国が経済の低迷、債務危機といった「暗い影」に直面するようになった。
その一方、世界最大のエコノミーである米国の動きは力強い。米商務省の最近の発表によると、今年第2四半期の経済成長率は年率換算で3.7%となり、年初予測の2.3%を大幅に上回った。
米国の国内経済が持続的に回復する状況の中、米ドルもユーロやその他の通貨に対して値上がりした。これにより米連邦準備制度理事会(FRB)は進退窮まる状態に陥った。計画通りに2006年以降初の金利引き上げを行うべきか、それとも海外市場の不確定性を考慮して、しばらくは「兵を動かさない」でいた方かよいか、選択が難しくなった。
そこで今回の会議には国際通貨基金(IMF)の朱民副専務理事、ブラジルの開発・工業・貿易省のマルコス・ヴィニシウス・デ・ソウザ事務秘書(イノベーション担当)らが招待され、関連の問題について話し合う予定だ。
▽製造業は低迷、新興産業は注目 中国経済の道はどちらに?
最近発表された統計データはどれも、中国が経済構造のモデル転換における「痛みの時期」にあることを示している。国家統計局が今月1日に発表した製造業購買担当者指数(PMI)は49.7%に低下し、景気・不景気のボーダーである50%を下回った。
同局の趙慶河シニア統計師はこのPMIを、「これは主に製造業に成長のエネルギーが不足していたことと関係がある。今年は一部の伝統産業が引き続き構造調整に力を入れ、原油などの大口商品の価格が持続的に低迷し、製造業のニーズが弱まっている」と説明する。
中国経済の成長率は鈍化しているが、経済の数量は過去6年間で最も増加し、世界への影響力もますます強まっている。
今回のダボス会議には、清華大学の李稲葵教授、JPモルガン・チェーンの李晶専務取締役、中国建設銀行の王洪章頭取らが招待され、中国経済の新常態や世界への影響について話し合う予定だ。
▽好材料が次々 株式市場に再び注目
中国の株投資家はこの1年の間に天国と地獄を見た。今年に入り上海株式市場の総合指数は前年末の3234ポイントから上昇を続け、6月12日には5166ポイントに達して、過去数年間の記録を更新した。だがその後の経過は多くの投資家の予想を超えたものだった。国際環境の影響により、同指数は動揺して低下し始め、8月の24日は8.49%低下、25日は7.63%低下と2日続けて大きく値下がりし、年初の水準に戻ってしまった。
最近、株式市場に関連した政策が相次いでうち出され、金融市場を安定に導いている。人民銀によると、8月25日夜に人民銀は通達文書を出し、預金準備率と金利を引き下げることを明らかにした。
中国人民大学金融・証券研究所の趙錫軍副所長は取材に答える中で、「中央銀行のこのたびの『ダブル引き下げ』の意図は明らかで、投資家の信頼感を高め、企業の資金調達のコストを引き下げ、そうやって企業の収益レベルを引き上げることにある」と述べた。
さまざまな好材料が相次いで現れる中、中国株式市場が今後どの方向に向かうかが多くの株投資家の関心の的になっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年9月7日
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