世界経済フォーラム(WEF)のニューチャンピオンズ年次総会2015(第9回夏季ダボス会議)が今月9~11日に遼寧省大連市で開催される。世界90数カ国の代表1700人あまりが出席し、科学技術の革新という背景の下、中国と世界の経済成長に影響を及ぼす新たな問題や重要な議題について討論する。国務院の李克強総理は開幕式に出席し、特別挨拶を行う。今会議のテーマは「経済成長の新たな青写真を描く」。環球網が報じた。
▽「成長」の意味を掘り下げる
世界は未だに2008年の金融危機の影から完全に抜け出せてはいない。世界経済は今、古い構造から新たな構造への転換点にあり、様々な力がぶつかり合い、交錯し、各エコノミーの回復状況はますます分化している。国際通貨基金(IMF)は、2015年の世界全体の成長率を昨年10月時点の見通しから0.3ポイント引き下げ3.5%と予想した。米国経済が徐々に低迷から脱する一方で、ユーロ圏と日本は経済成長の停滞とデフレリスクに直面している。また、大口製品・エネルギー価格の下落の影響を受け、一部の新興国および発展途上国の経済成長が鈍化するといった問題も存在している。
李総理は6月17日、中南海紫光閣で世界経済フォーラムのシュワブ会長と会見した際、「現在、世界経済は深いレベルの調整の段階にあり、回復のプロセスは曲折している。錯綜した複雑な外部環境や国内経済の下向き圧力に対応すべく、中国政府は行政のスリム化と権限移譲、権限の開放と管理の結合、サービスの最適化といった改革の深化を通して、特定分野に照準を定めた調整を強化し、大衆の創業・革新を推進し、市場の活力を奮い立たせ、経済成長の新たなエネルギーを育成していく。今年5月以降、工業、投資、消費、輸出入といった主な経済指標はいずれも安定しつつ好転しており、雇用も良好な勢いを保っている。我々は引き続き成長モデルの転換、構造調整を行い、発展の質と効率を向上させ、中国経済の中高速成長を保ち、ミドル・ハイエンドレベルを目指す」と指摘した。
今年の夏季ダボス会議では、農業と食品安全、経済成長と社会的包容力、就職のための技能と人的資本、環境と資源の安全、世界金融体系の未来、インターネットの未来、世界の男女平等、国際貿易と投資、長期投資・インフラと経済発展などの議題に重点が置かれ、プラットフォーム経済の労働力と消費者への影響、人民元の国際化、インターネットリスクの回避、デジタル技術とクロスボーダー商品・サービス貿易、アジアインフラ投資銀行(AIIB)およびシルクロード基金の世界秩序への影響といった、注目を集める問題について討論が行われる。
注目すべきは、今フォーラムにおいて、中国経済の「新常態」、人民元国際化改革、「インターネット+」戦略、国際生産能力協力、新エネルギーなどの話題が各方面から高く注目されている点だ。
▽期待される国際生産能力協力
李総理はシュワブ会長との会見において、「夏季ダボス会議で実施される『国際生産能力協力と経済モデルチェンジ・アップグレード』分科会は、中国の生産能力と設備製造の比較優位性をいかにして先進国の進んだ技術・管理経験とマッチさせるかを探求するのに役立ち、発展途上国のインフラ建設および工業化のニーズによりよく適応し、互恵・ウィンウィンを実現し、世界経済の回復と成長を共に推進するのに役立つ」と述べた。
中国外交部(外務省)国際経済司の張軍司長は、「国際生産能力協力を推進することは、世界経済の新たな成長の原動力を発掘するのに役立つ。また、新たな発展段階に入った中国の新たな優位性を体現し、東北地区の発展に向け、より多くのエネルギーを放出することができる」としたほか、「国際生産能力協力は、各国の経済構造改革・調整の加速に役立ち、各国の経済の実体経済への回帰を後押しし、持続可能な発展に向けたエネルギーの蓄積に有利となる。また、一部の国家が工業化を推進する上での現実的な需要にもマッチし、世界的な産業配置の改善、産業チェーン・サプライチェーンの最適化にも役立ち、世界経済に新たな成長の原動力をもたらす」と指摘した。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年9月8日
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