北京地下鉄燕房線に導入される、イルカのような外観の地下鉄車両がこのほど、中国中車長春軌道客車株式公司(中国中車)の工場でラインオフした。これは、中国で最高ランクの全自動無人運転地下鉄車両となる。計画によると、燕房線では2016年末に全自動無人化運転が実現するという。北京日報が報じた。
〇「イルカ」車両第一弾がラインオフ
燕房線車両プロジェクトを担当する、中国中車の汪忠海・技術マネージャーは、「燕房線車両の外観イメージは、イルカにヒントを得ている。流線型をしたイルカのボディは、海水の抵抗(流動抵抗)を低減するのに適している。生体工学理論にもとづき、イルカの流れるようなボディを車両先頭部のデザインに取り入れたことで、見た目にも美しく、空気抵抗を低減することができた」と述べた。
ディテールを見ると、燕房線車両のライトは、くねくねとどこまでも続く長城城壁のイメージ、車体カラーの一部も、「城壁」の色彩イメージが取り入れられ、車両先頭部と調和して、古都北京の趣を豊かに醸し出している。
〇運転席は「全面開放」
一般的な地下鉄車両と異なり、燕房線車両の運転席部分にはドアや間仕切りがなく、全面的に開放されている。改造後、運転席の制御装置全体が閉鎖され、操作ボタンやスイッチは一切なくなる。乗客は、運転席部分で風よけガラスをさわり、列車前方に広がる景色を楽しむことができる。
これまで、北京空港線と上海10号線はいずれも、「無人運転のパイオニア」と称されていた。だが、実際には、「完全な無人運転」での運行は行われていない。また、無人運転車両に関する技術は、海外から導入するケースが多いが、燕房線車両は、中国自主開発による技術を採用している。
〇燕房線、来年末に営業開始の予定
北京市軌道交通建設管理公司の担当者は、「建設工事については、燕房線の燕化・顧八路・閻村北の各駅はすでに完成、沿線全体で全面着工している。今年の年末には、饒楽府駅が完成予定だが、他の多くの所では、取り壊し・立ち退きに関する問題によって、工事の進展が難航している。関連部門によると、燕房線は今のところ、2016年末の営業開始が見込まれている。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年9月28日
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