中国人民銀行(中央銀行)のサイトが伝えたところによると、2015年10月8日、国境を越えた人民元建て決済システム「クロスボーダー人民元決済システム」(CIPS、第1期)がオンラインでの運営を開始した。国内外の金融機関の人民元建てクロスボーダー業務およびオフショア業務に資金の清算・決済サービスを提供する、重要な金融インフラとなるシステムだ。人民網が伝えた。
CIPSは2段階に分けて構築される計画で、第1期ではクロスボーダー人民元業務の処理を円滑にし、クロスボーダー貨物貿易およびクロスボーダーサービス貿易の決済、クロスボーダー直接投資、クロスボーダー資金調達、国境を越えた個人の送金などの業務を支援することを目指す。主な機能的特徴として次の5点が挙げられる。(1)CIPS(第1期)にはリアルタイム全額決済方式を採用して顧客の送金業務および金融機関の送金業務を処理する(2)直接参与者は一点アクセスでシステムに入り、清算業務を集中的に行い、清算のプロセスを短縮させ、清算の効率を向上させる(3)国際標準メッセージISO20022を採用し、クロスボーダー業務に参与する者が一貫処理(STP)を行えるようにする(4)運営時間は欧州、アジア、アフリカ、オセアニアなどで人民元業務が行われる主要時間帯をカバーする(5)国内の直接参与者に専用ラインでのアクセス手段を提供する。
人民銀の説明によると、公平な競争が行われる市場環境を育成するために、人民銀は「人民元クロスボーダー決済システム業務暫定ルール」を公布し、参与者の参入条件、口座管理上の要求、業務処理上の要求などを規定し、CIPSの安定的運営に向けて制度面の基礎固めをした。これと同時に、クロスボーダー銀行間支払・決済(上海)有限責任公司を設立し、CIPSの運営に独立して責任を負わせることとした。同公司は人民銀の監督と管理を受ける。
CIPSの第1期直接参与機関には、中国工商銀行、中国農業銀行、中国銀行、中国建設銀行、中国交通銀行、招商銀行、上海浦東発展銀行、中国民生銀行、興業銀行、平安銀行、華夏銀行、HSBC(香港上海銀行)中国法人、シティバンク中国法人、スタンダートチャータード銀行中国法人など国内・海外資本の19銀行が含まれる。また同時にオンラインでつながった間接参与機関には、アジア、欧州、オセアニア、アジアなど各地域にある国内銀行38行と海外銀行138行がある。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年10月8日
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