中国社会科学院人口・労働経済研究所の張車偉所長はこのほど、出産率が予想を下回っていることを背景に、人口がこの先10年の内にピークに達し、2025年に14億1300人になった後で減少に転じ、50年には現在よりも少ない13億人になると予測していることを明らかにした。中国の発展の青写真を描く際に、慎重に考慮すべき要素となりそうだ。中国日報が報じた。
中国政府が公表している統計によると、中国の人口は14年末の時点で13億7000万人。張所長率いるチームは、25年に人口がピークに達した後、減少に転じ、50年頃には13億人にまで減ると予測している。
しかし、張所長は、「少子高齢化という大きな問題に直面しているものの、2013-2030年の17年間は、安定して労働者を供給できるだろう」とも強調している。同チームはまた、この17年間、労働者を毎年、1493万から1698万人供給できると予測している。そして、30年になると、労働者が受けている教育も向上を続け、特に大学院卒業者が増加の一途をたどると見られている。
同研究所人口・発展研究室の林宝主任は、「少子化と労働者の供給という2つの課題を抱えているため、中国は、計画生育政策(人口抑制政策)を完全撤廃する可能性がある」との見方を示している。
欧州連合(EU)のメンバーJorgPeschner氏は、「中国とEUはいずれも少子高齢化に直面している。労働者数の総人口を占める割合が高いことが、経済発展に大きく寄与してきたが、中国やEUは現在、生産力を向上させて経済発展を維持する方向に舵を切らなければならなくなっている」と指摘している。
ドイツ・ベルリン自由大学の政治経済学部元教授Gunther Schmid氏は、「中国の発展政策が依然として労働者数が多く、人件費が安いことに依存しているなら、中国は今後、困難に直面する」と警笛をならしている。しかし、「中国は競争力を維持している。中国の若者は良い教育を受けている。その若者達の就職が十分確保されれば、中国の経済発展の新たな原動力となるだろう」とも付け加えている。
「人民網日本語版」2015年10月9日
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