人民元相場はとうとう、「止まらない下落局面」に終止符を打ち、再び大幅上昇に転じている。12日の対ドル人民元レートは、先週の上昇局面が継続、上昇幅は200ベーシスポイントを一挙に上回り、今年3月以来の記録を更新した。北京晨報が伝えた。
統計データによると、人民元対ドル基準値は、87ベーシスポイント増の5.3406まで大幅に上昇した。人民元直物相場は寄り付きが前日比0.17%増の6.3344、一時は256ベーシスポイント増の6.3196をつけた。
特に注目すべきは、大陸部の人民元相場がこのように大幅に上昇しただけではなく、オフショア人民元相場も6.32の大台を一挙に突破、今年8月11日来の高値となる6.3155をつけたことだ。
中国人民銀行(中央銀行)が為替レートに関する新しい改革措置を発表した8月11日以降、人民元に3千ベーシスポイント近い大幅な変動が生じ、人民元安の予測が徐々に固まってきた。だが、9月に入ると、人民元相場は次第にバランスの取れた状態に移行した。「国慶節(建国記念日、10月1日)」の大型連休以降、人民元は小幅に反発する動きが見られた。特に、中央銀行が8日に人民元クロスボーダー決済システムの運用をスタートすると、翌9日の人民元レートは大幅に上昇、6.35の大台を突破して6.34台に突入した。
専門家は、12日の大幅上昇の原因について、以下の通り分析した。
人民元クロスボーダー決済システムの運用が開始された余波だけではなく、国際通貨基金(IMF)のトップであるラガルド専務理事の談話が12日に公表されたことも関係がある。ラガルド専務理事は9日、記者会見において、「人民元がIMFの特別引き出し権(SDR)の構成通貨として採用されるか否かを近く発表する。評価作業はすでにほぼ終了しており、現在、最終評価の提案書を取りまとめが進んでいる」と述べた。
SDRの構成通貨として採用されることは、人民元が本当の意味で「国際通貨」となり、正真正銘、180カ国以上のIMF構成国が正式に使用する通貨となることを意味する。業界では、人民元が年内にもSDRの構成通貨に採用される可能性は高いと見られている。
中央銀行の易鋼副総裁は先日、IMF第32回国際通貨金融委員会(IMFC)会議において、「人民元は現時点で、SDR構成通貨としての条件を満たす唯一の通貨だ。中国はすでに銀行間債券市場と為替市場を海外の中央銀行機関に開放しており、各種データの透明性アップなどの分野で、かなりの進展を得ている。人民元は、操作面でSDRに求められる条件を満たすことができる」と発言した。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年10月13日
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