2015年の「ダブル11」(独身の日、11月11日)に向けたグローバルイベントの始動会が13日、浙江省杭州市にあるアリババ(阿里巴巴)の杭州西渓パークで行われた。その中で、日本の花王株式会社と天猫国際(Tmallグローバル)が戦略的協力を結んだことを発表した。花王がクロスボーダー輸入通信販売モデル戦略を通じて中国市場に取り組むのは今回が初めてのケースで、紙オムツをはじめベビー・マタニティ製品の全ラインを引っ提げて乗り出すという。「京華時報」が伝えた。
花王の紙オムツは長らく中国のママたちの間で大人気の輸入商品となっており、中国の紙オムツ輸入市場で圧倒的なシェアを誇ってきた。中国市場に対する長年の継続的な検討の後、花王はこのたび天猫国際を通じ、膨大な中国人消費者に高品質で保障の備わった日本産紙オムツなどのベビー・マタニティ製品を直接提供することにした。
花王の天猫国際での公式店舗はダブル11の直前に開設される予定。花王を代表してこのたびの協力調印式に出席した竹内俊昭社長は、「アリババの小売プラットフォームは日本の花王が中国で唯一ライセンスを授与した公式のオンラインプラットフォーム。他のプラットフォームにはライセンスを与えていない」と述べた。
花王はこれまで、公式のライセンスを授与したチャンネルを非常に厳格に管理し、これにより質に対する要求が最も厳しいとされるベビー・マタニティ産業で圧倒的なブランドの影響力を獲得するに至った。日本でも花王製紙オムツは需要が供給に追いつかない状態が続いている。
花王は2011年に中国法人が天猫プラットフォームに進出したが、今は日本の本社が戦略的に天猫国際に進出した。これはアリババとの協力の深まりであり、中国の巨大な輸入ベビー・マタニティ消費財市場で踏み出した重要な一歩だ。
今回の協力で、天猫国際は莱鳥網絡科技有限公司、螞蟻金融服務集団と共同で、クロスボーダー取引、クロスボーダー決済、クロスボーダー物流をカバーする一括プラットフォームのサービスを提供するとともに、杭州、寧波(ニンポー)、上海、広州などの貨物取扱量が特に多いクロスボーダー輸入モデル都市でダブル11受注快速通関スポットを構築した。このたびの協力を通じ、双方はクロスボーダー輸入通販の革新的モデルをよりどころとして、中国の消費者に長期にわたる日本と同期したショッピング体験を提供することになる。
天猫国際の劉鵬社長は、「天猫は日本の花王だけでなく、フランスのダノングループのヌトリシア、米国のワイス、ハインツ、ハギーズ、アボット、ネスレ、オーストラリアのベラミーズ、A2といった粉ミルクや紙オムツを扱う世界的に有名なベビー・マタニティ用品ブランドを重点的に招致した。クロスボーダー輸入通販プラットフォームを通じて天猫国際に進出した海外ブランドは、一般の輸入モデルにおける各段階の中間業者と直接やりとりし、アリババのビッグデータを利用して、中国の中産階級の消費動向を明確に全面的に理解することが可能になり、中国市場での長期的な戦略計画配置に役立てることができる」と話す。
これだけではない。天猫国際には日本のミキハウス、韓国のゼロツーセブン、シンガポールのマムス、オランダのホーランドアットホームなどのベビー・マタニティ用品の垂直統合型プラットフォームも進出しており、これでマタニティ、ベビー、キッズの全段階をカバーする商品が出そろった。今後は花王と同じく、中国の消費者に大量の豊富な商品を提供することになる。
業界関係者は、「日本の花王と天猫国際のこのたびの協力は、目下の競争が異様に白熱した中国クロスボーダー輸入通販プラットフォームの圏内における重量級の『爆弾』投下であることは間違いないし、市場全体の局面の分水嶺になることが考えられ、天猫国際の中国クロスボーダー輸入プラットフォームの第一人者としての強みが十二分に現れている。日本の花王にとって、今回の動きには極めて大きな戦略的意義があり、中国市場や天猫国際との協力をどれくらい重視しているかがよくわかる」と分析する。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年10月14日
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