中国人力資源・社会保障部(人社部)の尹蔚民部長は14日、「第12次五カ年計画(2011-2015年)」以降の就業・社会保障事業の進展状況について紹介を行い、中国は現在、平均定年退職年齢は55歳未満と、世界で最も若い国家であることを明らかにした。人社部は、中国共産党中央委員会(党中央)の認可を経て、定年退職年齢の引き上げに関する改革案を社会に公開し、一歩ずつ段階を踏まえ、毎年数カ月単位の引き上げを実施し、合理性のある定年退職年齢を実現させる方針だ。
中国は、「富む前に老いてしまう」国家であり、高齢化が猛スピードで進んでいる国家でもある。現在、60歳以上の高齢者人口は2億1千万人と、総人口の15.5%を占めるに至った。60歳以上の高齢者人口の割合は、2020年に19.3%、2050年には38.6%に達する見通しで、この予測は、中国の高齢者事業と高齢者医療に非常に大きな影響をもたらしている。
現在の中国では、労働人口3.04人が高齢者1人を扶養しているが、2020年になると労働人口2.94人が高齢者1人を、2050年には労働人口1.3人が高齢者1人を扶養しなければならなくなる。高齢化は、医療保険支出にとって多大な負担となっている。
尹部長は、以下の通りコメントした。
現在の定年退職制度は、新中国成立後の1950年代初めに定められた。当時の推定平均寿命は50歳未満だった。建国から60年あまりが経ち、国情にも巨大な変化が起こり、推定平均寿命は70歳を上回った。だが、中国の退職制度は改正されていないままだ。企業年金に加入している退職者は8千万人を上回る一方で、平均定年退職年齢は55歳未満であるという状況は、明らかに不合理だ。
世界各国の定年退職年齢は、アフリカの一部の国を除き、ほとんどが65歳あるいは67歳で、段階的に引き上げられている。中国は今のところ、退職年齢が世界で最も若い国家となっている。各種要因を考慮に入れ、退職年齢を段階的に引き上げる改革策を定め、ゆっくりと、毎年数カ月の単位で引き上げを実施しなければならない。
改革案は、党中央の認可を得た後、社会に公開する予定だ。これは予告であり、数年後に実施をスタートし、だんだんと合理的な退職年齢に引き上げていく。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年10月15日
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