ドイツの放送局ドイチェ・ヴェレは26日、「中国共産党第18期中央委員会第5回全体会議(五中全会)が開幕した。中国メディアも海外メディアもこぞって注目している」と報じた。ドイチェ・ヴェレによると、4日間の五中全会が26日に北京で開幕し、200人を超える中央委員が参加した。今回のテーマは中国共産党中央の第13次五カ年計画(2016-20年、十三五)に関する提案を審議することであり、中国のこれから5年間の経済・社会発展の青写真を描くことにある。中国経済のペースが鈍化する今、五中全会は世界で幅広く関心を集めるとみられる。十三五は今回の会議の一大注目点であり、党の第18回全国代表大会が行われて以降の、中国の新しい指導部が初めて完全に手がける5カ年計画でもあるという。「環球時報」が伝えた。
英国放送協会(BBC)は「五中全会が開幕 経済を重点的に検討」と題して、五中全会が4日間にわたり北京で行われること、今回の会議では中国経済の振興が議事日程の中心になるとみられること、人事異動が各界の注目を集めていることを伝えた。中国経済は2009年以降で最も低い四半期成長率を経験したばかりで、中国政府が先週発表した統計データでは、今年第3四半期(7-9月)の経済成長率は前年同期比6.9%の伸びにとどまり、指標となる7%を初めて下回った。この7%割れは世界中で中国の経済成長が持続可能かどうかとの懸念を呼び起こした。だが李克強総理がこのほど中共中央党校で講義した際に述べたように、中国はこれまで1度も7%という数字を死守すると述べたことはなく、経済運営を合理的な範囲で維持するだけだ。また李総理は、「グローバル経済やグローバル貿易が低迷し、国際市場が変動するという背景の中、中国の昨年の経済発展状況はそれほど悪くなかった」との見方を示した。
「新常態」(ニューノーマル)の下で中国は成長率目標をどのように設定するだろうか。日本の外交ニュースサイト「ディプロマット」は26日、中国の指導者はより「現実的」な成長率目標をうち出すだろうと予測した。前四半期の成長率6.9%を発表したことを受けて、中国はこれから国際市場の観測を管理し、国際投資家の懸念を緩和しようとするとみられ、「新常態」の下での成長率目標は6.5%前後になる可能性がある。6.5%という数字は党の指導者が苦痛に満ちた真の構造調整を真摯に追求し、短期的な成長を犠牲にすることで長期的な安定を勝ち取ろうとしていることを示すものだ。香港紙「信報財経新聞」によると、統計データに基づけば、中国の国内総生産(GDP)成長率は第11次五カ年計画(2006-10年、十一五)期間に11.5%を記録し(世界は3.5%)、第12次五カ年計画(2011-15年、十二五)期間には7%を記録した(実質GDP成長率は約8%)という。
米国紙「ニューヨークタイムズ」によると、中国共産党は、新しい5カ年計画の重点は引き続き成長モデルを転換させ、輸出やインフラ・工業分野への投資に対する依存度を引き下げ、より持続可能な消費主導型の成長モデルに転換することにあると明確に述べる。新5カ年計画では環境保護の支出が増え、社会福祉の予算が増えるとともに、金融分野のさらなる自由化が推進され、これには人民元の国際化も含まれるものと予想される。台湾紙「旺報」の報道では、「新常態」の下、十三五の筆頭任務は引き続き「安定的成長」を達成することであり、中国の経済規模が2020年に2010年の倍になり、中所得国の仲間入りすることを確実にするだけでなく、これには国民生活の改善という意義もあり、特に貧富の格差の縮小という意義もある。十三五の最も重要な精神は国民が衣食住に困らないようになることから全面的にバージョンアップして、質のともなったより品位のある生活ができるようになること、大陸部で言われてきた全面的な小康社会(ややゆとりのある社会)が実現することにあるという。
中国は一定の成長ペースを維持する必要があり、成長モデルを転換させ、産業構造を調整し、長期的発展の安定を確保する必要もあり、これがまさに中国の前に今横わたる一連の難題だ。シンガポール紙「聯合早報」は26日、「中国は改革を経て新たなページをスタートさせる重要な時期にある」との論考を掲載し、次のように伝えた。中国のような巨大なエコノミーがモデル転換とバージョンアップを果たすのは確かに難しいことで、巨漢が宙返りをしたり労働者が情報技術(IT)の達人になったりするようなもので、すぐにできることではなく、困難に克服しながら前に進んでいくしかない。1978年の改革開放スタートを中国が世界の舞台に向かっていく始まりだとするなら、2001年の世界貿易機関(WTO)加盟は世界とつながるための第1歩であり、十三五期間は経済が中所得国の罠を突破するための重要な時期になる。成功するか失敗するか、それは制度改革によって決まる部分が大きい。
「ディプロマット」は、「五中全会は『中国モデル』の次の章の始まりであり、まさに中国指導者の習近平氏が2014年に述べたように、容易でみんなが喜ぶ改革はすでに終わった。おいしい肉の部分はすべて食べてしまった。残されたものはなかなかかみ砕けない硬い骨だ。……改革がどれほど困難であろうとも前に向かって進んでいくしかない」と伝えた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年10月28日
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