国務院の李克強総理は先月31日午後、韓国の首都ソウルの大統領官邸(青瓦台)で同国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談した。人民日報が伝えた。
李総理は会談の初めに、習近平国家主席から朴大統領へのあいさつを伝えた。李総理は、「中国と韓国は隣国であり戦略的協力パートナーであり、両国関係の発展状況は順調で、政治、経済・貿易、人的・文化など各分野での協力が一斉に同時に進展し、大きな成果を上げており、両国国民に福音をもたらしただけでなく、地域の安定と繁栄にも恩恵を及ぼしている」と述べた。
また李総理は、「中国は韓国とともになお一層の努力を重ね、友好協力を確固たるものにすることを土台として、新たな構想を開拓し、新たな分野を発掘し、新たな成長源を育成し、中韓の各分野における実務協力が『高いレベルに達した後、さらに大きな進歩を求めて努力する』ことを推進していきたい考えだ」と述べ、協力の5つのポイントを挙げた。
(1)戦略的協力パートナー関係という大きな方向性を堅持し深化させ、トップレベルの交流と各レベルの対話を引き続き強化し、できるだけ早く中韓海洋境界画定交渉をスタートさせ、非伝統的な安全保障問題、法執行問題、災害救助問題などでの協力を強化する。
(2)4つの国家発展戦略の連携を進め、新たな協力の注目点をうち出す。中国が提唱する「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)と韓国が提唱する「ユーラシア・イニシアチブ」、中国の「大衆による起業・イノベーション」と韓国の「創造経済」、中国の「メイド・イン・チャイナ2025」と韓国の「製造業革新3.0戦略」、中韓共同での第三国市場の開拓による国際生産能力協力の展開などでの連携を契機として、イノベーション、スマート製造、先端技術の研究開発などをめぐる協力を強化し、両国経済のモデル転換・バージョンアップを後押しし、地域の相互連携・相互接続を促進し、相互利益・ウィンウィンをよりよく実現し、ともに発展していく。
(3)若い世代によるイノベーション・起業と第三国市場の共同開拓のための2つの協力プラットフォームを構築し、政府の牽引役としての役割を発揮させ、双方の協力によりよい保障を提供し、中国の成都市に中韓イノベーション起業パークを建設する。
(4)中韓の自由貿易区建設を連携させ、経済貿易財政金融協力とマクロ経済政策との協調を強化し、中日韓自由貿易協定(FTA)と東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉を推進し、東アジア経済の一体化プロセスを推進する。
(5)人的・文化交流を深化させる。両国国民の往来がのべ1千万人を超えたことを土台として、人的・文化交流の質と量の全面的な向上を実現し、二国間関係の発展に向けた民意の土台をさらに確固としたものにする。
朴大統領は李総理が総理就任後に初めて韓国を公式訪問したことを歓迎するとした上で、「現在の韓中関係の発展ぶりは順調だ。今年に入ってから、習近平主席、李克強総理をはじめとする中国の指導者と何度も顔を合わせた。両国の指導者の間で密接なコミュニケーションを維持することは、両国関係の発展にプラスであり、朝鮮半島と北東アジアの平和安定の維持にプラスだ」と述べた。
また朴大統領は、李総理がうち出した両国の実務協力と人的・文化交流をさらに開拓深化させるとの提案に賛同し、4つの国家発展戦略の連携に賛成した。朴大統領は、「韓国は中国とともに経済・貿易、金融、イノベーション、製造業、医療・保健などの分野での協力を強化し、両国経済の発展により大きな活力を注入したい考えだ。双方が人的・文化分野での交流協力をさらに拡大し、韓中FTAの批准プロセスを加速させ、これを一日も早く発効させ、両国国民に恩恵が及ぶことを願う。韓国は両国による第三国での国際生産能力協力の展開に積極的な態度を取り、これを推進していく」と述べた。
双方はともに関心を寄せる国際的・地域的問題について深いレベルの意見交換を行った。
会談後、両国指導者は二国間の経済・貿易、人的・文化、科学技術、環境保護、品質検査など各分野の協力文書17件の調印を見守った。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年11月1日
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