北京工業大学、北京市社会工作委員会、社会科学文献出版社は北京で5日、共同で「社会建設青書:2015年北京社会建設分析報告」発表会を開催した。報告では、北京の社会階層構造と人口構造は、さらに合理化する必要があると指摘された。京華時報が報じた。
以下、青書の概要。
〇社会地位等級:モンゴルのゲルのように中下層に大きく偏る
2010年に実施された第6回国勢調査の統計データによると、社会地位等級における中上層の人々の割合は全体の2.97%を占めるにすぎず、中層は35.85%、中下層は61.17%をそれぞれ占めた。社会地位等級の構造は、まるでモンゴルのゲル(パオ。モンゴル式住居)のような形をしており、中下層の割合が大きすぎて、中上層は極めて少ない(図)。
第6回国勢調査からすでに5年が経過した。中層が毎年1%ずつ増加しているとすると、現在の北京では、中層が約40%を占め、2025年には50%に達する見通し。その時には、中間層が多く上層と下層が少ないという、「ラグビーボール」のような理想的な形に近づくと予想される。
〇人口構造――続く人材不足と男女比アンバランス
北京市民の素質は総じてある程度高まったが、人材不足問題は改善されていない。国際化した大都市であるにも関わらず、国際化人材が足りていない。また、北京エリア内で発展レベルにかなり差があり、資源配置はバランスが取れておらず、郊外にある一部の区・県では、人材誘致に努力しているものの、引き留めることができない状況が常態となっている。
このほか、北京の人口ボーナスはピーク期に入ったものの、少子高齢化問題は日ごとに顕著化している。人口の男女比バランスは崩れ、男女比アンバランス問題が深刻となっている。
〇人材流動――高すぎる生活コストが居住にマイナス影響
調査対象となった全ての地方出身大学卒業生のうち、「近く北京を離れたい」と答えた人は60%に達した。「マイホームを購入することは不可能」「職業キャリアの発展が見込めない」「経済状況が長い間改善されない」などが、その主な原因だった。このような問題が改善されない場合、約8割の大学卒業生が35歳までに北京を離れる選択をすると見られる。
課題チームの専門家は、「北京での就業チャンスが多いことが、地方出身の大学卒業生が北京で働く最大の理由となっている。だが、高騰が続く生活コスト、特に高すぎる家賃は、彼らが生活レベルや生活の質を高める上で、かなり大きな障壁となっている。これは、彼らが北京に住み続けるか否かを左右する重要な要素である」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年11月6日
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