習近平国家主席は6日午後、シンガポールの大統領官邸でトニー・タン(陳慶炎)大統領と会談した。両国の元首は、中国・シンガポール関係を時代と共に前に進む全方位的な協力パートナー関係と位置づけるとともに、中国・シンガポール自由貿易協定(FTA)の格上げした交渉をスタートすることで一致同意した。人民日報が伝えた。
習主席は、「中国・シンガポール国交樹立25周年のタイミングでシンガポールを国事訪問できることをうれしく思う。中国・シンガポールが国交を樹立してからの25年間に、双方は分野が広く、レベルが多様で、実務的かつ革新的な全方位的協力を展開してきた。現在、中国・シンガポール関係は過去を受け継ぎ未来を切り開く重要な時期にさしかかっている。中国はシンガポールとともに努力して、中国・シンガポール関係の新たな未来を切り開きたいと考えている」と述べ、具体的に次の3点を挙げた。「第1に、トップレベルデザインをしっかりやり、トップクラスの密接な交流往来を維持し、戦略的コミュニケーションを強化し、指導者が指導的役割を引き続き発揮すること。第2に、時とともに前に進んで実務協力を開拓し、重慶を運営センターとした中国とシンガポールの3件目の政府間協力プロジェクトを着実に推進し、この建設を中国・シンガポールの相互利益と協力の新たなモデルプロジェクトとすること。蘇州工業パークと天津生態城の2大重点協力プロジェクトを引き続き着実に建設すること。双方は両国企業が『1ベルト、1ロード』の提唱に合わせて第3国市場での協力モデルを開拓することを積極的に検討し、この枠組内で金融協力の潜在力を発掘することもできる。中国はシンガポールとともに科学技術・環境保護、教育・文化、社会管理など各分野での交流・協力を強化し、両国の実務協力の縦方向への発展を推進したいとも考えている。第3に、地域・国際事務における協力と調整を強化すること。シンガポールは今年、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係調整国になった。中国はシンガポールとともに、発展協力に焦点を当て、中国-ASEAN運命共同体をともに構築したいと願う。中国・シンガポール双方は国際連合やアジア太平洋経済協力(APEC)などの国際・地域メカニズムでのコミュニケーションと協力を強化することができる」。
トニー・タン大統領は、「習主席がシンガポール建国50周年およびシンガポール・中国国交樹立25周年という2つの喜びを迎えた年にシンガポールを公式訪問することを歓迎する。今回の訪問はシンガポール・中国の協力パートナー関係を新たな水準に引き上げるものになると信じる。ここ数年来、シンガポール・中国関係は全方位的かつ急速に発展し、両国のトップクラスは密接な往来を維持し、蘇州工業パークと天津生態城のプロジェクトに続いて、シンガポールと中国の3件目の政府間協力プロジェクトもまもなく展開される。これらはみなシンガポール・中国関係に新たなエネルギーを注入することになる。シンガポール・中国協力関係は経済貿易分野だけに限られたものではなく、時とともに前に進んで全方位的に発展している。シンガポールは中国が提起したアジアインフラ投資銀行(AIIB)の呼びかけに賛同し、これは当該地域の発展にプラスだとみなし、関連の協力活動に積極的に参加したい考えだ。シンガポールは中国が国際社会の平和安定のためのパワーであると信じており、中国とともに重要な国際的問題や地域的問題をめぐるコミュニケーションと協力を強化したいと考えており、ASEAN諸国が中国との交流協力を強化することに賛同する」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年11月8日
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