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中日韓首脳会談の実現、日本経済にとってプラスとなるのか?

 

約3年半にわたって中断されていた中日韓首脳会談がついに韓国・ソウルで開催された。3カ国は「北東アジアの平和と協力のための共同宣言」を発表しただけでなく、日韓の首脳も3年半ぶりに首脳会談を行った。安倍晋三首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領が会談するのは就任後初めてとなった。国際商報が伝えた。

日本のメディアはこのニュースを大々的に報じ、首脳同士が握手する写真が各紙のトップを飾った。日本メディアは、これにより安倍外交は多くの「ポイント」を稼いだとの見方を示している。

中韓の首脳と握手できたことは、安倍外交にはプラスとなったかもしれないが、政治的意義の大きい今回の会談が、日本経済にプラスとなるかについては疑問だ。

日本銀行は10月30日、金融政策決定会合を開き、現在の金融政策を維持し、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行うと決定、金融緩和を継続するとした。また同日、日銀は「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を発表、2015年度の実質国内総生産(GDP)見通しを前年度比1.7%増から1.2%増に、16年度を1.5%増から1.4%増に引き下げた。日銀はさらに、消費者物価上昇率が目標の2%に達する時期の見通しについて「16年度前半ごろ」から「2016年度後半ごろ」に先送りした。物価目標の達成時期を延期するのはこれで2度目だ。この目標は当初、2015年4月に実現するはずだった。

日本経済の成長率見通しを下方修正した原因は、新興市場の経済成長の減速と石油価格の下落だ。特に輸出の低迷は日本経済の回復が失速した大きな原因となった。

近年、日本政府の歴史問題に関する様々な態度が中韓両国から不満を呼んでおり、日本と中韓両国の政治関係が冷え込み、これが経済関係にも直接影響している。日本の中韓両国への輸出額も影響を受けた。韓国税関の統計によると、2014年、韓国の日本からの輸入額は10.4%減少した。韓国の日本からの輸入額はこれで3年連続の減少となった。中国税関の統計によると、2015年第1~第3四半期、中国の日本からの輸入額は12.3%減少した。

中日関係の問題について、中国の立場は一貫している。すなわち「平和こそ人類の正しい道。歴史を正視することで初めて未来に向かうことができる」というものだ。日本が国民の願いとアジア各国の共通の呼び声に応え、平和的発展の方向を遵守することを望む。一方、日韓両国の関係は非常に複雑だ。なぜなら当事者の両国だけでなく、米国の影響をも受けるためだ。米国のアジアにおけるパートナーである日韓両国の関係は米国に多くの懸念をもたらしている。今回の日韓首脳会談は、米国が間に立って実現したという評論もある。しかし、今回の日韓首脳会談は米国を失望させたかもしれない。韓国の全国紙「世界日報」によれば、安倍首相とパク大統領の会談は昼食会も、共同記者会見も、共同声明も無いという、非常に「気まずい」内容だった。慰安婦問題に関する日韓間の認識の隔たりが埋まらず、会談時間が予定より大幅に延長された。しかし、「会談時間が長くなったのは良いニュースとは言えない。双方が敏感な問題をめぐって舌戦を繰り広げた可能性がある」との分析もある。首脳会談は「決裂した」と報じたメディアもあった。

韓国大統領官邸・青瓦台によると、双方は慰安婦問題について、早期の妥結を目指して交渉を加速させていくことで一致したほか、経済分野の協力を強化し、首脳会談の結果を着実に実施し、ハイレベルの対話メカニズムを構築することで一致したという。

経済協力の強化について言及されたが、歴史問題という「足枷」が存在する以上、日韓の経済協力がどれほど強化できるのかは不明だ。

まず、円安によって韓国の輸出が打撃を受けた。これは近頃の韓国経済発展に影響を及ぼす大きな原因となっている。日本経済にはまだ回復の兆しが見えず、日銀の緩和策は今後も継続され、さらなる緩和の可能性も排除できない。そうなれば、円安の方向性が一転する可能性は低く、韓国の輸出も影響を免れることは難しい。

次に、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定交渉の大筋合意により、韓国の一部産業がプレッシャーを感じている。日韓両国は多くの分野が競争関係にあることから、TPPが発効すれば、韓国は日本との競争の中で市場を失うことになる。しかし、韓国がTPPに加入するとなると、12カ国と交渉しなければならない。日韓がTPP加入をめぐって交渉すれば、自動車などの関税および日本の農水産品の輸入制限に関する交渉が難点となるだろう。

最後に、韓国と中国の経済貿易協力はますます緊密化しており、中国市場の韓国経済に対するけん引作用は軽視できなくなった。日本との経済協力問題において、韓国はコストの問題だけでなく、日韓関係の背後にある米国の問題を考慮することになる。中国および米国との関係に対処する中で、韓国は分をわきまえ、バランスをとらなければならない。(編集SN)

 

「人民網日本語版」2015年11月10日

 

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