ネット通販中国最大手・アリババが運営するB2Cサイト「天猫(Tmall)」の、今年11月11日(独身の日)の世界激安セールの売上は912億1700万元に達し、前年同日の571億元から6割増となった。豪シドニー・モーニング・ヘラルド紙は、「ネット通販大手のアリババは、独身の日という遊び心のある日を、世界のビジネスの奇跡に変えた」と驚嘆した。
中国経済が新常態を迎える中、消費が経済成長を推進する最も重要なエンジンになりつつある。インターネットと関連する革新は、中国の消費という「宝の山」を掘り起こす有効手段になった。これは11月11日がはっきりと示したことだ。また1年に1度の商業の祭典において、中国と世界経済の双方向の交流が目立った。
経済減速中の消費ブーム
韓国紙・毎日経済は、「独身の日の中国ネット通販の取引規模は驚異的だ。韓国の大型百貨店の2ヶ月分の売上を、中国のEC事業者は1時間で達成してしまう。これは先月の、韓国版ブラックフライデーの業績低迷とは対照的だ。中国の11月11日は、中国経済が低迷するのではという懸念を払拭した」と報じた。
市場調査会社のニールセンが実施したアンケート調査によると、回答者の56%は今年の11月11日に前年より多く支出すると回答し、支出を減らすとした回答者は6%のみだった。回答者は今年、平均で1761元を消費すると予測し、前年比22%増となった。ロイター通信は、中国の消費が力強い勢いを維持しており、注目に値すると報じた。
記録的な取引額は、中国の経済成長が減速してはいるが、国民の消費力と意欲が依然として強いことを示した。消費はまた、中国の経済成長を牽引するメインエンジンになりつつある。中国国家統計局が9日に発表したデータによると、10月の中国社会消費財小売総額は、前年同月比で13.3%増となった。1−10月の伸び率は13%。
モバイルネットワークによる消費、新たな「宝の山」に
今年の11月11日に、モバイル端末による取引額が高い比率を占めた。これは英フィナンシャル・タイムズ紙などのメディアも注目したことだ。アリババの統計データによると、セール開始から90分内に、モバイル端末による取引額が全体の72%を占め(前年は45%のみ)、11月11日全体では68%となった。
中国はインターネット、特にモバイルネットワークによる消費力が世界で最も高い国になった。ドイツのテレビ局は、「インターネット経済は中国政府から力強い支援を受けており、中国の経済モデルチェンジの新たな舞台になっている。これは事実によって証明されていることだ。中国のネットユーザー数は約6億5000万人に達し、ネット通販が社会消費財小売総額に占める比率も10%を超えている」と伝えた。
インターネット消費が激増する中、インターネット金融も消費の潜在力を引き出す重要な手段になった。アリババが発表したデータによると、今年の11月11日のセール開始から30分内で、アリババの消費者金融商品「螞蟻花唄」の決済額は45億元に達した。決済にかかった平均時間は0.035秒。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年11月13日
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