中国商務部(省)のウェブサイトによると、同部の高虎城部長とASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国の担当相はマレーシア・クアラルンプールで11月22日、中国の李克強総理とASEAN10カ国の首脳が見守る中、中国・ASEAN自由貿易協定(ACFTA)のアップグレード交渉の成果文書「中華人民共和国とASEANの『ACFTA』およびその一部合意の改正に関する議定書」に署名した。人民網が伝えた。
商務部国際司の責任者によると、同議定書は中国が既存のFTAを基礎として作成したアップグレード文書で、貨物貿易、サービス貿易、投資、経済技術協力などの各分野をカバーしている。既存の協定をより豊富化し、完備、補充、向上させたもので、経済貿易協力関係の深化・開拓に向けた双方の共通の願いと現実的なニーズが反映されている。
計500ページからなる議定書には、豊富な内容が含まれる。上述の責任者は「既存のFTAのゼロ関税の品目の割合はすでに90~95%に達している。貨物貿易の自由化のレベルも高い。ゆえに、今回の交渉では主に、双方の貨物貿易の発展をより一層促進するため、原産地規則と貿易便利化措置のアップグレードを行った」と語った。
議定書の署名により、双方の経済発展に新たな推進力が生まれ、より密接な中国-ASEAN運命共同体の構築が加速し、2020年までに相互貿易額を1兆ドルに拡大する目標の実現が後押しされるほか、「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」と「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」の建設も促進される。
ACFTAは中国が国外と締結した初の、そして最大のFTA。2002年に「枠組み協定」が発効、2010年に正式に発効し、双方の経済貿易関係の長期的・安定的・健全な発展を力強く推進し、発展途上国間の互恵・協力・ウィンウィンの良きモデルとなった。
FTAの各種優遇策に後押しされ、中国とASEANの相互貿易額は2002年の548億ドルから2014年には4804億ドルと約9倍に増加した。双方向の投資は2003年の33億7千万ドルから2014年には122億ドルと、約4倍になった。現在中国はASEANにとって最大の貿易パートナー、ASEANは中国にとって第3の貿易パートナーであり、双方の相互投資は累計1500億ドルを突破している。
当該地域の貿易・投資の自由化と便利化水準を高めるため、李克強総理は2013年10月、中国-ASEAN首脳会議でACFTAのアップグレード交渉の開始を提唱した。2014年8月、中国-ASEAN経済閣僚会合においてアップグレード交渉の開始が宣言された。双方は4回の交渉を経て、「議定書」の内容に合意した。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年11月24日
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