工業・情報化部(省)装備工業司機械処の王建宇処長はこのほど、北京で行われた「2015世界ロボット大会」の記者会見で、「ロボットは製造業の『王冠の宝石』だ。中国は現在、ロボット産業『十三五』(第13次5カ年計画、2016-2020)計画の制定を急ピッチで進め、国内のロボットの研究開発や普及応用、基準体系建設などでの発展を後押ししている」と語った。新華網が伝えた。
中国科学技術協会と工業・情報化部、北京市政府が共催し、中国電子学会などが実施した「2015世界ロボット大会」は23日から25日まで北京で開催される。世界最新ロボットと産学研連携のリーダーらが集まり、「協同・融合・ウィンウィン、スマート社会の実現に向けて」というテーマをめぐって考えをぶつけ合う。
国家製造強国建設戦略諮問委員会の専門家によると、ロボット産業「十三五」発展計画は、「メイド・イン・チャイナ2025」の重点分野技術ロードマップとともに、中国のロボット産業発展の青写真を構成するものとなる。これによると、中国の産業用ロボットの年間販売台数は2020年までに15万台、保有台数は80万台となり、2025年までに販売台数は26万台、保有台数は180万台に達する見通しだ。また「十三五」期の終わりまでに、中国のロボット産業クラスターの生産額は1千億元を超える見込みだ。
国際ロボット連盟の統計によると、中国は2013年、日本を超え、世界の産業用ロボットの最大の市場となった。世界の産業用ロボットの年間販売台数は2014年に22.5万台で、中国の販売台数は約4分の1を占めた。
先進国と比べると、中国の産業用ロボット産業にはまだ大きな遅れが見られる。国産ロボットは市場シェアが低く、ブランドの知名度も高くない。コントローラーや減速装置などのキーパーツの研究開発能力が不十分で、先端製品は輸入に依存している。
ロボットは、国家の革新能力と産業競争力をはかる重要な目安の一つとなる。米国はロボット技術ロードマップ、EUはスパーク計画、ドイツはインダストリー4.0計画、日本はロボット白書、中国はロボット産業「十三五」発展計画と、各国はロボット発展計画をそれぞれ打ち出している。目下の科学技術と産業の発展状況と主要国の戦略動向を展望すると、ロボット技術とその応用がすでに、戦略的な新たな優位性を形成するために不可欠な分野となっていることがわかる。
国家発展改革委員会の林念修・副主任は、「ロボットを代表とするスマート設備の製造を大いに発展させることは、中国の製造業の質と効果の向上を後押しすることとなり、中国の設備製造業の産業アップグレードや『中国製造』から『中国創造』への転換を促進し、経済発展に力強い原動力を注ぎこむ重要な意義を担っている」と語った。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年11月24日
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