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韓国国会が韓中FTAを批准 来年1月1日施行へ

 

韓国の国会は先月30日、韓中自由貿易協定(FTA)の批准への同意案について投票を行い、賛成196票、反対33票、棄権36票で、同意案を可決した。これにより中韓FTAは韓国側の批准プロセスが基本的に完了した。同意案可決後、韓国政府は20日以内に一連の国内関連プロセスを完了させ、2016年1月1日の関税優遇政策の施行実現を目指す。

中韓両国は2012年にFTA交渉のスタートを発表し、15年6月には韓国が中韓FTAに調印したが、韓国国内には調印後も国会通過というハードルがあり、すんなりと事態が進んだわけではない。農業と漁業の補償問題をめぐり、韓国の政府と民間とに食い違いがあることがネックとなっていた。

11月18日には、韓国の与党、野党、政府による協議メカニズムが初会合を開き、批准プロセスの加速を決定。同29日には朴槿恵(パク・クネ)大統領がフランス・パリで行われる国連機構変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)への出発に先立ち、「韓中FTAは韓国経済の発展と密接な関わりがあり、韓国は対中輸出の占める割合が高く、優遇政策を付加して輸出振興をはかる必要がある。FTAは韓国が提起したものであり、両国の信頼問題に関わる」として、国会に対してできるだけ早く韓中FTAを批准するよう求めるとともに、「韓中FTAの発効が一日遅れるごとに、韓国の輸出産業は40億ウォン(約4億2千万円)の損失を出すことになる」と述べた。

中韓FTAが発効すると、実際に恩恵を受けるのは誰だろうか。まず両国の国民が恩恵を受ける。最も直接的な恩恵は、自国にいながら、相手国の安くて質が高くコストパフォーマンスのよい商品を買えるようになることだ。次には企業と国が恩恵を受ける。中韓FTAの発効は巨大な政策的メリットを生み出す。中韓FTAの規定によると、中国は最長で20年をかけて91%の品目の関税を撤廃し、これは輸入額ベースで85%にあたる。韓国は輸入額ベースで91%にあたる92%の品目の関税を撤廃する。こうして中韓両国間の貿易は「ゼロ関税時代」をほぼ実現することになる。

韓国にとって、中韓FTAは韓国経済が垂れ込めた暗雲から抜け出すのを助けるものだ。韓国経済の重要な基幹輸出産業にとってみれば、FTA発効の1年目に、製造業の輸出額は13億5千万ドル(約1657億3千万円)増加し、輸出にエネルギーを与えることが期待される。また中韓FTAの対象製品のすべてで関税が撤廃されれば、韓国輸出企業の対中輸出は毎年関税54億4千万ドル(約6678億1千万円)を節約することができ、韓米FTAで節約できた関税9億3千万ドル(約1141億7千万円)の5.8倍になり、韓国とEUとのFTAでの3.9倍に相当する。

総合的にみて、中韓FTAは韓国の国内総生産(GDP)増加率を間接的に3.5%以上押し上げることが予想される。韓国の今年第3四半期(7-9月)のGDP増加率は1.2%で、10年第2四半期(4-6月)の1.7%に次ぐ数字となった。韓国の専門家の間では、「輸出がやや力強さを取り戻せば、政府が設定した3%以上という年間経済成長率目標値の達成は困難ではないと」の見方が一般的だ。また韓国の企画財政部は、「今後10年間に、韓中FTAは韓国の実質GDPを0.96ポイント引き上げ、消費者にとっては146億ドル(約1兆7921億円)の節約になる」との見方を示す。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2015年12月1日

 

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