ハイテク製造業にポテンシャル 商務部が発表した最新データによると、今年1~11月にかけて、中国全土で設立された外資企業は23648社で、前年同期比で11%増加した。実際に使われた外資金額は7043.3億元で、同7.9%増だった。 分野別で見ると、サービス業が依然として外資の主戦場となっている。データによると、1~11月にかけてサービス業が実際に使用した外資は695.8億ドル、前年同期比で18.8%増。全体の61%を占める。うちハイテクサービス業は外資の重点分野であり、ハイテクサービス業の外資直接投資は昨年同期比で51.7%増だった。
投資の出所から見ると、発展途上国と新興国家の存在感がますます高まっている。ASEANやEU、「一帯一路」沿線諸国の投資がそれぞれ13.1%、6.9%、16.2%増加だった。一方、アメリカや日本など従来投資大国の対中投資は減少している。 専門家は、今後の中国のハイテク製造業に対する投資は、外資にとって魅力的だと指摘する。
なぜなら第一に、新版「外商投資産業指導目録」において、外資の投資に対する参入障壁制限を大幅に縮小させることで、製造業のバージョンアップを促進させること、特にハイテク製造業を外資の重点投資分野にしていくことを明記していることが挙げられる。外資企業に対し、省エネや環境保護技術、新世代の情報技術、バイオ、ハイテク装備製造、新エネルギー、新素材、新エネルギー車などの戦略的新興産業の投資を促進させているのだ。
第二に、「一帯一路」戦略の実施により、中国のハイテク製造業が海外展開を促すことになるが、これも同分野における外資の投資を惹きつけ、新たな外資の優位性が形成されていることが挙げられる。
歩調を速める対外投資 外資の導入が加速すると同時に、中国の対外投資も加速している。投資金額にせよ、投資流動規模にせよ、中国は世界的な投資大国になっている。
商務部の統計によると、2015年の3四半期において、非金融分野での対外直接投資は873億ドルと、前年同期比で16.5%増だった。国外で受注したプロジェクト契約額は1376億ドルで同26.5%増。履行金額は1008億ドルで同9.2%増だった。国連貿易開発会議(UNCTAD)の統計によると、中国は連続3年で投資規模が世界第3位で、対外投資ストックは世界第8位となっている。
張向晨氏は、中国企業は海外進出の歩みを速めていると指摘する。年初に決められた、対外直接投資の年間増加率を10%前後にするという目標は、それ以上の数値で達成できる見込みだ。同氏によると、2014年の中国の対外直接投資は2002年の45.6倍に達した。この急速な伸びは今後も続き、また、非国有企業の海外進出の勢いも加速しているという。これは中国の発展段階と関係している。中国は資本輸出の段階に到達したため、今後5~10年は比較的高い対外投資増加率を維持するだろうと同氏は見込む。
ただし、中国企業の対外投資には問題もある。商務部欧州司副司長の馬社氏は、中国企業が対外投資を行う際、製造業、科学技術研究開発、情報技術サービスなどのハイテク系や高い知識を要する産業の割合はあまり大きくないことを指摘する。現在、中国企業の対外投資の利益はさほど芳しくない。中国企業は、国を越えての経営能力やイノベーション、ビジネスモデルなどが不足している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月15日
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